皆さんは「Cracker Barrel」というアメリカのパンケーキ・チェーン店をご存知だろうか。パンケーキと言うと語弊があるかもしれないが、要はファミレスだ。なぜパンケーキ・チェーンと言いたくなるかはズバリ、私が最も推す商品に他ならないからだ(笑)


Cracker Barrel、そのフルネームはロゴにある通り「Cracker Barrel Old Country Store」と言う。1969年に Dan Evins 氏によって設立され、会社の本社、そして店舗の第一号はテネシー州レバノンという街にある。ルート66ファンにとっての「レバノン」は勿論ミズーリ州。レバノンと聞いた最初は一瞬テンションが上がったが、テネシー州と言われ頭の中はクエスチョンマークの嵐となった。
レストランのメニューは伝統的な南部料理がベース。ミートローフ、カントリー・フライドステーキ、ローストビーフ、キャットフィッシュフライ、そしてポークチョップと私の好きなお皿のオンパレードだ。取り分け朝飯メニューのラインナップには感涙もので、イチ推しのパンケーキから、ビスケット、スクランブルエッグ、ハムのステーキ等、目新しいものではないが本物の伝統がそこにある。

これがパンケーキだっ!

お店の外観、そして内装はどの店舗に行っても「これこそチェーンの醍醐味」と言わんばかりに、ほぼ同じ。実際40店舗ぐらい訪問している身としてはたまにどこに自分がいるのか分からなくなるぐらいだ。店前のポーチには木製のロッキングチェアが売られ、石の暖炉や地元の装飾品が並ぶ上、店内インテリアは基本、アンティーク家具、古い壁のカレンダーや広告用ポスター、写真など、地域の地元の歴史に関するアート関連が含まれている。

そもそも私が最初にこの店と出会ったのは偶然、1993年にフロリダ州マイアミに住んでいた時のことだ。アメリカっぽい朝飯を食べに行こうと思い立って北に向かって少しドライブ。West Palm Beachという場所でたまたま入った店が Cracker Barrel だったのだ。そこで初めてパンケーキ食べた時の感動は凄まじいもので、それまで数多くのパンケーキを食べてきたが、文句なく1等賞ものだった。そしてパンケーキにかける彼らのオリジナルであるメイプル・シロップがこれまた絶品なのだ。
その経験以来約25年、事あるごとにチャンスがあれば同店を訪れ、可能な限り友人知人にも薦めている。(親善大使にして欲しいぐらいだ)当の Cracker Barrel は1990年代に急激に業績を伸ばしたが、そこに目をつけて?私は当時通っていた大学院のレストラン経営学に関するクラスの最終論文にこの Cracker Barrel Old Country Store を題材として取り上げた。そのぐらい Cracker Barrel LOVE ♥ だ。
もう一つ言わせて貰えれば、ニューヨーク在住の時はマンハッタンやロングアイランドにこの店舗は当時なく、70マイル(約110キロ)ほど離れたコネチカット州ミルフォードにあるお店まで1時間30分かけて車でよく出かけたものだ。「わざわざパンケーキを食べに90分も車で行くバカはお前ぐらいだ」と、よく友人に言われたが、一回食べさせれば納得してもらえた。(と、思っている)

前置きが長くなったが、なぜ今回こんな話をしているかと言うと、この Cracker Barrel Old Country Store、全米で43州に渡って店舗経営をしているのに、私の長く住むカリフォルア州には実は一店舗もない。全米チェーンのお店でこれは余りお目にかかれない事実である。その理由は一つ「儲からないから」だそうだ。同社が長い間リサーチを重ねた結果だと言うが、真偽は定かでない。
ロスアンゼルスに住んでいた時には一番近い店舗があったのは、アリゾナ州グッドイヤー。距離にして370マイル(約600キロ)、時間は約6時間のドライブだ。

そんな中、先日驚きべきニュースが流れてきた。Cracker Barrel が第一号店をカリフォルア州ヴィクタービルにオープンすると!しかも彼らは同街の我らがアイコン、California Route 66 Museum と提携してビジネスを行うとまで発表された!

Cracker Barrel は確かにアメリカの歴史上流れる「先祖代々の遺産」や「物語」を非常に大事にする。その顕著なものが上で述べた店内デコレーションや、メニューだ。その考え方はルート66を愛する者たちが持つ精神そのものだと感じるので、正にそこが大きな理由の一つになったのだろう。
Cracker Barrel と Route 66 Museum は、来月9日「Building Our House Heritage Event」と名付け、お互いのパートナーシップや意義についてお互いに認識を深め合うイベントを開催するとのことだ。
California Route 66 Museum の President は私の良き友人の一人、Delvin だ。

デルヴィンと@ヴィクタービルのバー

次回彼に会った時にはどんな話をしようか。こんなことも聞いてみたいし、あんなことも議論したい。

12月24日、クリスマス・イヴにサンタさんから降ってきた最高のプレゼントだ。
皆様、MERRY CHRISTMAS !!