今回の旅、正味約6日間である。短いだけに濃い内容にしたい。
シカゴ到着後、ミッドウェイ空港からダウンタウンに向かう交通渋滞の中でそう考えている時にとっさに閃いたのが「ベースボール」だった。
時間調整ではないが、ルート上の宿泊先を決めた際にどうしてもシカゴで少し多めに時間が出来てしまうのは既に分かっていたこと。その時間を実際どう使うかは現地に行ってから考えようと思っていたが、すんなりと思いついた。
街に入ってからホットドックを食べながらスマホでMLB.com、本日近くで行われるのは、シンシナティ・レッズ@ミルウォーキー・ブルワーズのようだ。
我がお気に入りの Christian Yelich  が観れるとなれば即決だ。

どちらかと言えば日本の皆さんにはマイナーな両球団だが、6日間しかない旅のスポットで「観れる」ということはラッキーそのもの。それに筆者には「観たい」理由も幾つかあるしね(笑)ということで、今日はルート66物語からはズレるが、ベースボールについて少し書かせてもらいたい。

私がブルワーズを最後に彼らのホームで観戦したのは何と2001年に遡る。
何と17年前だ!(驚)
当時は Richie Sexson、Mark Loretta、Mark Sweeneyを筆頭に強打の選手が多く、取り分けお気に入りの Geoff Jenkins 選手と、その年新しくオープンした本拠地球場 Miller Park を観に駆けつけた。開閉式の全天候型スタジアムの先駆けとなったものの一つで、設計は何と元スター選手のロビン・ヨーント氏だというから更に驚きだった。スタジアムは左右均等の美しい形で(当時としては非常に珍しかった)レストランが外野席スタンドに併設され、食事をしながら観戦できるという代物。

その翌年2002年にはここミラーパークでオールスターゲームも開催される予定になっていて、当時はその熱狂を肌で感じたことを憶えている。

余談になるが、アメリカ4大スポーツと呼ばれるMLB、NFL、NBA、そしてNHL。これら全てのスタジアムに実際に足を運んでの観戦経験が私のちょっとした自慢だ。だから新しく開いたスタジアムにはそのシーズン、確か5月になってしまったが、イソイソと訪問した(のだと思う)。

さて、そのミルウォーキー・ブルワーズ。本拠地はウィスコンシン州ミルウォーキーにあり、現在はナショナルリーグ中部地区所属だ。「現在は」という言葉が気になった皆さんは感が鋭い(笑)そう、ブルワーズは1997年までアメリカンリーグの所属だった。1998年の球団拡張に伴うリーグ編成で移籍したってわけ。ブルワーズの「ブルワー(Brewer)」は勿論「製造者」という意味であり、これは地元ミルウォーキーがビール醸造が盛んなことに由来する。皆さんも良くご存知の MILLER BEERはここの地酒だ。現在使用されているロゴはミルウォーキーの頭文字「M」の下にビールの主原料である大麦が描かれており、バックの小金色のシェイプはウィスコンシン州の地形だ。

これは2000年から使用されているが、メジャーリーグ他の球団同様、その歴史を遡ると様々な愛敬のあるロゴやマスコットが存在するわけで、その変遷をみているだけでも大いにワクワクするものだ。

ブルワーズのマスコットは「バーニー・ブルワー」。ブルワーズの選手がホームランを打つと、左翼スタンドに設置されている滑り台からすべって祝福する。

そしてもう一つの人気アトラクションは「ソーセージ・レース」だ。ソーセージの着ぐるみを着たランナーが(6回終了後に)フィールド内を競争し、観客が勝者を当てるという極めて単純なものだが、これが老若男女とてつもなく熱狂するのだ。
なぜソーセージ?ビールの相棒ということもあるけど、ミルウォーキーにはドイツ系移民が多いことも関係していると地元のファンから聞いた。日本人選手も過去に何人か在籍したブルワーズだが、1999年に在籍した野茂英雄元選手が翌年タイガースの一員として還ってきた際にこのレースに参加して話題になったことも。

今回はそのソーセージさん達をコンコースで発見!ハイタッチで挨拶をし、ミラービールを購入。地元ビールを飲みながら地元チームに声援を送る素敵な夜でルート66の旅は開けた。