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週刊NY生活月イチ連載 SEASON 3: Vol. 14 ニューメキシコのホテルは今

毎月恒例の寄稿「魅惑の旧街道ルート66をフォーカス」SEASON 3、第14回目(05月号)は、コロナ禍で奮闘するニューメキシコ州のホテル事情についてご紹介。まだまだ自由に旅行できる日は少し先になりそうですが、「その日」が来た時の準備は是非やっておきましょう?!

詳細は週刊NY生活ウェブサイト ⇩ まで (18ページです)
https://nyseikatsu.com/editions/772/772.pdf

Time No Waits, Again…

何とも悲しい日になった。
ニューメキシコ州ルート66アソシエーションの役員であり、ルート66沿線上多くの歴史的なネオン看板の修復に関して第一人者である Johnny Plath 氏が先週、コロナウィルス感染によって亡くなった。
まだ「たったの」68歳だ。
ニュースによれば彼のお父様も同様な理由でお亡くなりになったらしいのだが、どうやらお父様のお世話時に感染してしまったようだ。

Johnny Plath, the image from Route 66 News

Johnny と彼の兄弟である Larry は、同州アルバカーキにある Southwest Outdoor Electric 社でネオン看板の作成ならびに復元作業に従事していた。彼の業績の中でも最も注目に値する看板の復元は、同州Santa Rosa にあった Sun n’ Sand Motel、こちらも現在は閉店してしまっている同州 Moriarty の El Comedor の「ロトスフィア」、そしてアルバカーキにある De Anza Motor Lodge のそれらだ。

Johnny とニューメキシコ州ルート66協会とのパートナーシップは、2003年に同協会が提唱した、「ルート66ネオンサイン保護プロジェクト」がきっかけだったと言う。その際 Johnny は、最も困難な二つのネオン看板の修復に入札し、担当することになったとのことだ。上記で紹介した、サンタローザの巨大なサンアンドサンドモーテルの看板と、モリアーティにある「Rotosphere」ネオンだ。彼はこれらのプロジェクトが利益を生まないことを十分に理解していたが、ジョニーはこれらの歴史のあるアイコンであったネオンサインを蘇らせる機会を貰えることにモチベーションがあったそうだ。

Rotosphere at El Comedor, the image from Route 66 News

今年の初め、2020年は初夏ごろに渡米し、ニューメキシコ・ルート66を走る予定をしており、その際 Johnny Plath 氏に面会を申し出るつもりだった。もう何年もの間、是非お会いしてお話を聞きたいと思っていた方だ。本当に残念でならない。
ご本人のご冥福を祈ると共に、ご家族に心よりお悔やみを申し上げたい。

PBSが作成したドキュメンタリー映画「Route 66:The Neon Road」に、Johnny のネオン看板への情熱を見ることができる。この映画は Emmy Award も受賞した。お時間のある方は是非。

De Anza Motor Lodge, the image from Route 66 News

コロナのもたらす深刻な影響

Boots Court Motel

今やパンデミックとなった新型肺炎のもたらす影響は日に日に増していることは今更言うまでもないが、国内旅行はもとより海外からの渡航も制限されている状況にルート66沿道でビジネスを営む人々にも深刻な経済難を落としている。
同地域のTV局KOAMは、先日ミズーリ州カ―セイジのモーテルを “COVID-19 Grounds Tourism Route 66 Businesses Suffer” と題して取材をした。
原文で読みたい方はこちら ⇩ 
https://www.koamnewsnow.com/covid-19-grounds-tourism-route-66-businesses-suffer/

素敵なカ―セイジのダウンタウン

Boots Court Motel、私たちルート66ファンであればよく知っているミズーリ州ルート66のアイコンの一つだ。そのオープンは1939年まで遡る。(2006年7月1日の投稿でもご紹介)
モーテルの共同経営者である Deborah Harvey さんはインタビューの中でその悲痛な状況を伝えてくれている。
先週の時点で3月23日以来お客がなく、4月に入っていた67にも上る予約は全てキャンセルになったそうだ。Deborah さんもそうだが、Boots Court Motel にはもう一人の Deborah さんがいて、混同を避けるために私たちルート66ファンの間では通称 “Debbie Dee” と呼ばれている。私も Debbie Dee との交流をするに機会があれば泊めてもらっている大好きなモーテルで、欧州やオーストラリアからの同胞ツアーメンバー達も良くこのモーテルを利用する。

Deborah Harvey さん

「この4月の時期は毎年多くの海外からの観光客がルート66を訪れ、そのうち7割近い人たちがルート66を訪れる。国内観光客だって平均3600ドル近い金額をトラベルに使うんだ。昨年統計では約 1億4千万人が旅行に出たという。単純計算だって500億だよ。」と、同州ジョプリンにあるルート66商工会議所の代表、Ron Hart 氏は語る。

Debbie Dee と Ron Hart 氏と一緒に

海外からの多くの愛好家たちに支持される Boots Court Motel は、3月にトランプ大統領によって欧州諸国、イギリス、アイルランド、そしてカナダからの渡航を禁止した時点で多くのビジネスの可能性を失った。例え米国政府による中小企業への支援プランを受けることができたとしても、国内だけでも84万人に上る感染者数と、4万6千人近くになる死者数を出してしまっている現状を鑑みれば、Route 66 沿線産業が回復するまではまだ1年以上かかる可能性も少なくないのだ。

もちろん困っているのは Boots Court Motel だけではない。何とか皆の力になりたいと考えているが、事はそう簡単に行かないのが現実で歯痒い。私を含め海外に在する全てのルート66ファンが渡航解禁、パンデミックの終息、そして世界が元のように自由に活動できる日を待っている。目指せルート66!友人らのSNSポストを見ていると、毎日そう聴こえてくる。

きれいにライトアップされたネオン

El Rancho Hotel を応援しよう

昨日金曜日のこと。アリゾナ、ニューメキシコ、コロラド、ユタの地域をカバーする新聞メディア「The Journal」は、ニューメキシコ州最大の街、アルバカーキの高齢者施設で18人もの COVID-19 感染者が発生した事実を報道した。州全体ではこれで500人を超えた数字となる。

同州で最初の感染者が検出されたのが3月中旬。それから直ぐに州知事である Michelle Lujan Grisham 女史は予防措置として、終末期ホスピスケアを除き、生活支援施設への公共アクセスを一時停止した。報道によればその措置は Grisham女史自身も彼女のお母様へ会いに行くこともできないことを意味していたという。

今更改めて言うことでもないけど、ほとんどの人にとってコロナウイルスは発熱や咳などの軽度から中程度の症状を患うことが主で、2〜3週間で解消すると言われているが、一部の人々、特に高齢者や既存の健康問題のある人々にとっては肺炎や死を含む、より深刻な病気を引き起こす症例が後を絶たない。とはいえ、まだウィルスの全容が解っていないため、いずれの場合も細心の注意で臨むことが重要だ。

そんな中、ニューメキシコ州西部に位置する Gallup の街のシンボルでもある、El Rancho Hotel は医療従事者が必要とする場合、 COVID-19 に感染した重い患者さんのために、ホテルの一部スペースの使用を許可したのだ。が、当面は感染被疑者がコロナウイルスの検査を受けている間、自己隔離する場所としての使用が主になる模様。
もちろんホテルとしてのビジネスは続ける必要があるため、駐車場を隔てた別棟を提供することになるものの、これは同業者の立場からすると非常に難しい、が素晴らしい英断だ。

このプログラムは、Rehoboth McKinley Christian Health Care Services、Gallup Indian Medical Center、Community Outreach and Patient Empowerment 等の専門非営利組織の後援を受けており、ホテル側曰く、提供した場所は、使用語は米国疾病管理予防センター(CDC) による厳しいガイドラインに基づいて部屋が掃除されるとことだ。

El Rancho Hotel は、20世紀初頭に “The Birth of a Nation” や、”The Musketeers of Pig Alley” でアカデミー賞受賞経歴のある著名な映画監督 D.W. Griffith 氏の兄弟である、R.E. Griffith 氏によって 1937年にオープン。兄弟は映画製作者に Gallup エリアでの撮影を奨励し、ホテルは John Wayne、Ronald Reagan、Katherine Hepburn、Kirk Douglas、そしてSpencer Tracey、Gregory Peck や Humphrey Bogart 等、当時のきらめく映画スターたちが宿泊したことで有名。その当時の写真や小物はホテルの2階に堂々陳列されているのだ。

だがさすがの El Rancho も 1980年にフリーウェイI-40がルート66を迂回した際にはビジネス需要は急減、そして衰退の道をたどるのだが、捨てる神あれば拾う神あり、常にそのホテルの運営を夢見ていた Armando Ortega Sr. 氏によって解体の脅威にさらされたホテルは 1986年に50万ドル(現約5400 万円)で購入され、さらに同額を追加して修復したのと記録が残っている。
ホテルは1988年5月に再開、その年に国家歴史登録財に登録された。
Ortega Sr.氏は2014年に86歳で永眠している。

Coat of Arms – John Charles Webster

締めくくりは同州の大司教であられる Archbishop John Charles Webster 氏のお言葉で。
“In unity with all Christians, we call on the faithful to make home the holy place for the sake of all families during the COVID-19 pandemic. Stay home. By practicing social distancing, together we can save lives.”

コロナに負けるな!

依然としてコロナウィルスは世界中で猛威を奮っている。現在世界中で感染者は50万人を超えており、25,000人近い人々が亡くなっていると聞く。
私たち米国でも症例数は10万人を超える勢いで、1,200人以上がその大切な命を落としている。このパンデミックにより米国は欧州の多数の国やカナダからの旅行を禁止。もちろんこのような状況下で旅行をする人は少ないが、多くのルート66ファンを抱える欧州からの旅行者が来ないという事実は、ルート66沿道ビジネスにも多大な影響を落としている。

アリゾナ州ウィンスローに建つ歴史のある「La Posada Hotel」は、再開業した23年前以来、初めての一時閉鎖に追い込まれた。
私の良き友人でもあるオーナーの Allan、そして彼のパートナーである Tina は先週この困難な決断をし、ウイルスの影響で苦しんでいる人々に向け「この危機を乗り越えようとしている皆様の健康と生計を心よりお祈り申し上げます。」と語っている。(Route 66 News より)
尚、Allan はニューメキシコ州 Las Vegas でも「Plaza Hotel」「La Castaneda Hotel」、同州 Lamy の街では「Legal Tender Saloon」を経営している。
残念ではあるが、もちろん全て通常の営業はできていない。

La Posada のホームページより、公式声明を原文のままご紹介。

We have always been an unusual business, founded not to make money but to save special places. For twenty-five years we have poured our lives and revenue into improving our properties, our communities and our staff with little regard for the bottom line. We are so proud of what we have been able to accomplish, and so very grateful for the support of our loyal guests and lovely towns.
Everything is different now. We have had so many cancellations we cannot process them right away. Please be patient and kind. If you believe in our common future, buy a gift certificate for a future stay or meal. If you already have a reservation we would love to give you a gift certificate or reschedule your stay when things get better – which they will. We understand that many of our guests are in crisis too, so if you have a reservation and need a refund we will get that to you as quickly as we can.
We are doing all we can to support our staff too. We will pay out all benefits and will keep 24-hour security and live-in at all properties. Most of these fine people have been with us for years, some for decades. It is heartbreaking. Tina and I are working without pay. We will borrow and use every penny we have so we can all recover together.
La Posada opened in 1930 as the depression overtook an unprepared nation. Working together we brought La Posada back and made it an oasis of kindness and beauty, and then the same for the Plaza, Castaneda and Legal Tender. This crisis too shall pass. We will all travel and dine and laugh again.

ニューメキシコ州と言えば、パンデミック期間、州内すべての宿泊施設に稼働率を50%以下に制限するように命じた。さらに同州は、ウイルスの影響を直接受ける可能性のある医療従事者とその家族が利用できる部屋を(ホテルを利用して)確保したいとも考えていると聞く。

ニューメキシコ州のルート66、アイコン的な施設と言えば「Blue Swallow Motel」だ。そのブルースワローも27日(金)を持って一時的に2週間強、閉鎖する決断をした。(4月12日に再開するかどうか判断)

オーナー夫妻である Kevin と Nancy も私の大切な友人であり、将来的に何かお手伝いが出来ればとも話しているだけに、決して他人事ではない。もちろんルート66沿道の全てのビジネスが大変であろうだけに、想いはこのモーテルらだけではない。かく言う私自身もホテル業界に勤務しており、相当に大変な思いを経験している真っ最中なのだ(泣)

こちらも彼らのFBよりアナウンスメントをご紹介。
一日も早く世界中で感染んが下火になり、元の世界に戻ることを祈って止まない。

We are sad to announce that due to increased concern for the well-being of our guests, employees and ourselves, we have made the difficult decision to temporarily close the motel, effective Friday, March 27th. Please understand that we do not make this decision lightly, but we feel it is impossible to ensure that any of us will not be exposed to the COVID-19 virus during this time of unusual and extreme risk. Additionally, we are simply unable to provide the experience of sociable hospitality that the Blue Swallow has become famous for under the kind of interactive restrictions that are currently in place. The experiences of sitting out with your neighbors under the warm glow of the neon, or sharing travel stories around a campfire, are ones that we are unable to facilitate at this time. It is not entirely clear when we will be able to resume normal operations, but we are targeting April 12 as a day to review the status of the current crisis. A decision will be made at that time on whether to reopen or extend the closure.

We encourage you to not travel during this time, but if you must be on the road, and decide to stay in Tucumcari, please first try our other historic motels, such as the Safari Motel, Roadrunner Lodge or Historic Route 66 Motel. We do not know what their plans are, but for now, they remain open.

We hope and pray that we all come through this crisis safely together, and that we are able to resume normal, fun operations in the very near future.

We apologize for any inconvenience this may cause, and hope to see you at the Blue Swallow for a future visit. Until the time that we see you back on Route 66, please stay safe and healthy.

Thank you all for your support–Kevin & Nancy

週刊NY生活月イチ連載 SEASON 3: Vol.12 映画から生まれたバグダッドカフェ

毎月恒例の寄稿「魅惑の旧街道ルート66をフォーカス」SEASON 3、第12回目(03月号)は、映画「Bagdad Cafe」のご紹介。
その地、Newberry Springs は訪れたものに時空を超えた郷愁を誘います。

詳細は週刊NY生活ウェブサイト ⇩ まで (25ページです)
https://nyseikatsu.com/editions/764/764.pdf

Lilian Redman に会いたくて

Lilian Beatrice Leigon Redman

ルート66を走り始めて、ルート66に関わることで沢山の友人、知人が出来た。皆、一人一人が私の誇りとする素晴らしい大切な人々だが、残念ながらタイミングが合わず会うことの出来なかった方々も大勢いる。
その一人が、Lilian Redman 女史、言わずと知れたニューメキシコ州トゥクムキャリのBlue Swallow Motel の元名物オーナーさんだ。ブルースワローモーテルは、1940年代よりルート66のアイコンであり続けているが、Lilian Beatrice Leigon Redman がモーテルのオーナーとして活躍した50年代にその伝説は生まれた。彼女の名セリフの一つ、” I end up traveling the highway in my heart with whoever stops here for the night” は、私自身がホテル業界に従事していることもあり、いつも指針の一つとして肝に銘じている。(とは言え、そんな気量は私にはないが、笑)

現在のオーナーは、Nancy と Kevin Mueller 夫妻。ミシガン州デトロイトから越してきたとても気さくで愉快な人達だ。いつも訪れる度に笑顔満面、飛び切りのホスピタリティ精神で出迎えてくれる姿にはきっと Lilian の精神が受け継がれていると確信する。

With Nancy & Kevin Muller

そんな Lilian にインタビューをする ルート66の生きた伝説、Michael & Suzanne Wallis 夫妻と Nancy の貴重な映像を発見したのでここでシェアしたい。

Lilian が亡くなったのは 1990年代後半。1993年に初めてルート66を走ったが、当時はまだ走って「観光」することだけに注力していた未熟な私は、このようばルート66の真の魅力に気付いていなかった。
Time No Wait、本当に時間は待ってくれない。今やるべきことは絶対に後回しにしてはいけないのだ。

友人、Anthony Reichardt が撮影した当時の Lilian。ああ、本当に会いたかったなぁ。

夜明けの一枚@Blue Swallow Motel

@Tucumcari

Route 66 と Air B&B

「エアーB&Bにお客、取られてない?」
一時とても良く聞かれた質問だ。
私のようにホテル業界で働く人の多くは、多かれ少なかれ必ず聞かれた経験しているのではないかと思う。
ただ、私の答えは NO だ。少なくとも私自身が長い間関わっている、いわゆる大手チェーン系のホテルにとっては、エアーB&Bは脅威ではない。
例えばヒルトンを例にとれば、ヒルトン系列で「Hampton Inn」とか、「Homewood Suites」等は場所によればエアーB&Bの競争相手になっている所もあるが、大きな意味ではホテルに泊まるお客と、エアーB&Bに泊まるお客では「マーケットが異なる」わけで、お互いのマーケットに脅威ではなく、どちらが良いとか悪いとか、そういう話でもなく、お互いに共存できる仕組みになっていると個人的には感じている。

Illinois State University

ところが最近になって、このエアーB&Bの存在はルート66にてモーテルを経営する人たちに取っては決して他人事ではなくなってきた。
昨年の話になるが、イリノイ州立大学の公共ラジオ局が、同州ブルーミントン・ノーマルにある、築103年になる物件を所有する Kevin Lewis 氏の話をある取材で取り上げた。Lewis 氏によれば彼がエアーB&Bに登録したのは約2年前、財政不況にあった時だという。
ただ彼は今はもう財政的にその必要もなくなったが、エアーB&Bはそのまま継続して営業している。なぜなら「(それが)好きで楽しいから」、だそうだ。Lewis 氏は単純に人が好きで、宿泊者との交流を楽しんでいるということだ。

同じルート66でありながら大都市であるシカゴは、数年前からエアーB&Bに対して規制を厳しくしているが、前述のブルーミントン・ノーマルのような小都市であり、かつ市場価値の低い場所にとっては、この現実問題が今になって降りかかってきたわけだ。
ブルーミントン・ノーマルにだって昔ながらのモーテルは存在する。が、年々減る宿泊者の確保に困っている状況で、エアーB&Bが(ホテルでないため)ホテル税が免除されていたり、宿泊者用のセーフティルールが曖昧だったりと、不公平であるという声が出ている。
一方、エアーB&B側は、ホテル側の提供できない「Home Away from Home」というこじんまりとした快適さこそが顧客のニーズであり、それに応えられているのは自分たちの方だと主張するのだ。

ブルーミントン・ノーマルにあるランドマーク、Ryburn Place

現実では昨年、エアーB&Bはイリノイ州内での宿泊予約に関して収税を徴収すると発表し、その金額は約930万ドル(約9.9億円)になる。
しかし同時にエアーB&Bは、地方の宿泊税は徴収しておらず、ブルーミントン・ノーマル地域では、既存のホテル税は年間約300万ドル(約3.2億円)にのぼるそうだ。
市の当局者はこの問題をしっかり把握しており、何等かの解決策を見出す努力はしているものの、まだ最善の策は見つかっていないようだ。

最近の面白い事例の一つとして、テキサス州のヴェガという小さい街に存在する歴史あるモーテル「Vega Motel」がある。長らくモーテルとしては機能しておらず、長く住み着いている女性が部屋の一つを占有していた。最近になってその物件を購入した新しい所有者は、このモーテルを通常のモーテルでなく「エアーB&B」に登録して、この場所を復活、活性化させようとしていると聞いた。

エアーB&Bのサイト上で、ルート66と検索するとテキサス州グルーム、イリノイ州スタントン、そしてアリゾナ州ホルブルック等がヒットする。ホルブルックは別として、いずれもモーテル数が殆ど無いルート66上の小さな街だ。
ルート66の旅行者が、歴史のあるモーテルが不足している地域で一晩滞在した場所を探すにはエアーB&Bは、一つの有効なオプションかもしれない。
今後どのような展開を見せていくのか、ルート66にとってももはや他人事でない大切なトピックスの一つである。

テキサス州ヴェガのメイン通り

US’s One of the Coolest Motels on Texas Route 66

先月の話になるけど、アメリカの大手メディアABC局の記事で、テキサス州アマリロにある「Big Texan Motel」が「アメリカで最も Cool な(恰好良い)モーテル」の一つに選ばれた。
え?一瞬目を疑った。モーテル?モーテルの方で?
そう、ご存知の方は私の驚きも納得できるかもしれない。というのは、Big Texan が有名なのはモーテルなく、「72オンスのステーキを制限時間内に食べたら無料!」で名を馳せるステーキハウスの方だからだ。

まあ、それはそれとして。クールなモーテルの一つというんだからルート66愛好者として非常に気分が良い。だけど、これは勿論全米のホテル、モーテル全部からではなく、あくまでもカテゴリーは Budget Travel なんだけどね。
その Budget Travel 誌によれば選考された理由は次のようなこと。

「モーテルは、ビッグテキサン・ステーキランチのに隣接するが、そのそびえ立つカウボーイの標識は、品がなく何となくゴテゴテと飾り立てた”古きアメリカ”そのもの。まるでご先祖さんからのプレゼントだね。外観は、西部劇の映画によく出てくるもの、内部には時代遅れの動物の毛皮やキャンピングカーが飾られていて、スイング式のサロンドアや木製のインテリア、と雰囲気は素晴らしい。」
とても褒められているようには感じられない批評だけど、何と言っても選考基準は「ヴィンテージを損なわず、レトロな雰囲気を保ったまま、モダンなアメニティを提供するモーテル」だそう。
モダンなものを提供しているかどうかは是非泊まってその真相を探ってみては?

参考までにベスト8は以下の通り。

  1. Austin Motel, Austin, Texas
  2. Beck’s Motor Lodge, San Francisco, California
  3. Vagabond Hotel, Miami, Florida
  4. Modern Hotel & Bar, Boise, Idaho
  5. Big Texan Motel, Amarillo, Texas
  6. Jupiter Hotel, Portland, Oregon
  7. Thunderbird Inn, Savannah, Georgia
  8. Unscripted Durham, Durham, North Carolina



モーテルを買うタイミングは未だ遠い?

Photo from Route 66 News

残念な話だけどルート66では、毎年幾つかのモーテル、ダイナー、そしてお土産屋さん、が閉店となる。理由はオーナーの高齢化、または健康上の問題、それに伴う後継ぎがいない、さらには不況が原因であったり、様々だ。
ルート66の素晴らしい文化と後世に残したい、と日々大なり小なり努力をする仲間たちにもとても心の痛い話題なんだよね、こういう「現実」は。
かく言う私はホテルマンの端くれとして、いつかはこのルート66上でモーテルを再生経営したいと機会があれば言っている。
もっと言えば、その「正しい」タイミングが来る時に向かって各ホテルで経験を積みながら資金を作っているところだ。

昨年のことだけど、ミズーリ州サリヴァンにある「Shamrock Court Motel」もオーナーが売却に舵を取った。現在のオーナーはシカゴ出身の Weiland 兄弟だが、ある程度のメンテナンスはしているものの、宿泊として販売するレベルではなくここ10年以上空き家になっているものだ。

所説あるものの、Shamrock Court Motel は1945年、イタリアからの移民石工である Berti 氏によって作られたらしい。47年、または48年という記録もあるけど、まあそこはどっちでも(笑)

写真を見てもらえるとわかるように、その歴史はもとより、建築も非常に美しく目を引くよね。昔の盛況時のポストカードも披露しちゃいます。
実際、このモーテルが売りに出てから直ぐに購入を希望する人から連絡があったらしいけど、その人物、何と建物を壊したいと申し出たそうだ。何という大バカ者!もちろんオーナーは NO と言って断ったらしいが、こういうルート66の歴史と意義をわかっていない金だけ持っている輩が最近増えているのも頭の痛い現実なのだ。

でもね、売却希望金額は125,000ドルなんだって。日本円で約1,400万円ぐらいかな。東京で住宅を買うことを考えると破格に安い。
このくらいなら私が!と正直思うところもあるんだけど、やっぱりサリヴァンという場所がネックだ。。。
この地域のモーテルといえば「Wagon Wheel」と、実際私のブログでも紹介している素晴らしいモーテルがわずか18マイル(約29キロ)先にあるのだ。
車で走れば所詮20分程度だ。繁忙期はお客をスプリットできそうだけど、それ以外の時期はどうかな~、悩むな~。

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