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週刊NY生活月イチ連載 SEASON 4: Vol. 4 実は「ワイン王国」なミズーリ州

毎月恒例の日系情報誌「週刊NY生活」紙にて連載、「さあ行こう!魅惑の旧街道ルート66」SEASON ④。今月は何とミズーリ州の登場だよ!しかも話題は「ワ・イ・ン」(笑)
冗談だろっ!という冷笑?失笑?も聞こえてきそうだけど、侮るなかれ、ミズーリ州には11のワイン・トレイルがあり、ワイナリーの数は130を超えるのだ~!

ということで、ルート66を旅しながらワインを楽しもう!というお話。
あ、間違ってもナパやソノマのカリフォルニアワインや、ロングアイランドのニューヨークワインと比較しちゃだめだよ。それぞれに個性っていうものが。。(汗)

記事全文は週刊NY生活ウェブサイト ⇩ まで (19ページです)
https://nyseikatsu.com/editions/815/815.pdf

Tony Moore’s Route 66 Wines

冒頭からこのような写真を見せられたら、皆さんは急に血圧が上がらないだろうか?(笑)
ワイン続きの話で恐縮だが、これは、現在全7回に渡って開催しているZoomによるルート66講座の中で、前回ワインの話に触れるにあたってその資料作成をしている際に偶然発見したものだ。
目が点になり、全身が固まった私の姿は容易に想像してもらえると思うが、正にそのイメージ通り。
「青天の霹靂」とはいささか大げさだろうか。

「Route 66 Wines」「Tony Moore’s Signature Collection」、、ん?Tony Moore? トニー・ムーアって言えば、地球上見渡しても私の知ってるのは世界的にブレイクする前のブリティッシュ・ヘヴィメタルの最先鋒、「アイアン・メイデン」のギターとキーボードを弾いてた彼ぐらいだ。
謎は深まる。。

早速ワイナリーのホームページにいってみる。
“Torti Estate – Wine’s Elegance Since 1910” 、だそうだ。

場所はイタリアのパヴィア。あまりピンと来ない方も多いと思うが、パヴィアの街は大都市ミラノを擁するロンバルディア州の南西35キロほどの所にあり、ポー川とティチーノ川に囲まれた肥沃な土地だ。
ワイナリーがあるのは更にそのパヴィアから25キロほど南に行った「モンテカルヴォ・ヴェルシッジア」(Montecalvo Versiggia)というコムーネらしい。初めて聞く名前だ(笑)

Torti Estate は、オルトレポ・パヴェーゼ(Oltrepò Pavese )DOCワインの伝統を守っており、現在のオーナーであるパトリツィアとディーノ・トルティ夫妻の下、ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)とクロアティーナ品種を中心に、ワインとスプマンテの生産をしているとのこと。
因みにDOCとは、「デノミナツィオーネ・ディ・オリジン・コントラータ」(Denominazione di Origine Controllata)の略で、フランスの「アペラシオン・コントラレ」(AOC)とほぼ同等の意味で用いられ、定義された品質基準を満たし、指定された地域で生産されたワインであることが要求される。DOCの定義では、通常許可されているブドウ品種、収穫量、樽使用を含む最低熟成期間、最低アルコール度数などについて厳しい規定があるのだ。

話は大分それたが、そのトニー・ムーア氏。2019年5月に初めてトルティ・ワイナリーを訪れた際に、すぐに彼らのワイン造りに込められた情熱、ビジョン、細部に至るまでのこだわりに魅了された、とホームページには書かれている。トルティ夫妻が語った彼ら家族の物語や創造的なワイン醸造プロセスは大きなインスピレーションをトニーに与えたようだ。

更には、その日ワイナリーで数時間過ごした夜には、トルティ家族全員と一緒に食事を楽しむ機会があり、そこでトルティ家族の言葉「No Torti, No Party」をイメージし、アコースティックギター一本、即興で披露した、という逸話もあるらしい。
そうなんです!やっぱりあのアイアン・メイデンの彼だったのです!

(ヘヴィメタルを聴かない方には、1986年に”(I Just) Died in Your Arms” の世界的ヒットで一躍有名になったバンド、Cutting Crew でキーボードを担当した彼、と言ったらわかるだろうか)

Iron Maiden 時代の Tony Moore 氏

そうやって生まれたのがこの「Route 66 Wines Tony Moore Signature Collection」だ。
同国内の代理店を通じ25年にも及ぶライセンス契約を経て出来上がったこの一本。
日本から購入できるのはオンラインのみとなるようだが、「家飲み」が主流となっているこの機会に是非、試してみてはいかがだろうか。

https://greatwinedirect.com/collections/route66-wine

おまけでワイナリーのホームページに載っていたトニーさんの熱唱を。

Dino Torti & Tony Moore from Route66.wine

ミズーリ・ルート66 でワインを堪能しよう!

唐突だけど「ワイン」と言えば皆さんの頭には何が思い浮かぶだろうか?
フレンチのコース料理と一緒に楽しむイメージを思い浮かべる人もいれば、灯りの落とされたワイン・バーでゆっくり一日の疲れを癒すのもありだ。

わざわざ私がここで書くまでもないが、ワインはフランス、イタリア、スペイン等の欧州を始め、チリやアルゼンチンの南米、更には(もう新興国ではないが)カリフォルアニアや、オーストラリア産のワインももうすっかり馴染みになった。
何が美味しいか美味しくないかを論ずることは私個人的には愚の骨頂で、嗜好品である以上人の好みは千差万別。飲んでいる人は美味しく、楽しければそれでいいのだ。
おっと、今日はそんなワインの蘊蓄?を書きたいわけではない。 ルート66でもワインが楽しめる。ワイナリーだって沢山あるのだ!というお話を少々。

ルート66と言えども今日のお話はミズーリ州オザーク地方。
実はこの州、結構なワイン王国なのだ!
ミズーリ州には現在120を超えるワイナリーがあると言われ、巷でよく言われる「ワイン・トレイル」という複数のワイナリーが集まっているエリアが何と「9か所」もある!
さらには何と受賞歴のある美味しいミズーリ・ワインに出会うことも可能だというからちょっとした嬉しい驚きである。

え?なんで?ミズーリにワイナリー?そのリアクション、とても正しいと思う(笑)
でもね、ミズーリの歴史を振り返ってみるとそんなに不思議ではない。
18世紀の後半、まだまだ時は開拓時代。アメリカの「西端」はミズーリ州セントルイスあたりだった。欧州から(当然)船で新大陸に渡ってきた移民は、大西洋から湖を通り、ミシシッピ川やイリノイ川を使ってこの地までたどり着いた。元々この地域にはフランス人が多く、彼らの交易もよって街は発展した。
そう、フランス人と言えば忘れてならないのはワインだよね。
セントルイスにはバドワイザーの米国本社や工場もあることは皆さんもご存知の事実。ミズーリ州とアルコールは極めて近い関係にあるということだ。

とは言うものの、9か所の「ワイン・トレイル」はあまりルート66上にはないのだが(汗)、<地図上、真ん中をあたりを斜めに走っているI-44 が昔のルート66>、⑨番のオザーク・マウンテン・トレイルが何とか面目躍如という感じか。(上の地図参照)
でも敢えて!今日ここで取り上げようとしているのは生粋のルート66上のワイナリー、ということでキューバからセント・ジェームズのわずか20マイル程度の区間。どうして「トレイル」とは指定されない短い距離かつ、少ないワイナリー数だが、ルート66 旅の途中、是非休憩を兼ねて運転の疲れを癒してみてはいかがだろうか。

私もワインがとても好きな手前、一応このエリアのワイナリーには試飲や畑見学に立ち寄って、生産者やオーナーさんたちと交流をしている。
そういった関係上特定のワイナリーをプッシュすることは難しいが、ルート66、すなわちインターステート44号線に沿って、① Rosati Winery、② 4M Vineyards、③ Meramec Vineyards、そして ④ St. James Wineryが代表的なアクセスしやすい場所となるかな。 観光スポットとしては、禁酒法以前のミズーリ州のワイン産業の印象的な歴史と機械を見ることができる博物館や、息をのむような素晴らしい、ビッグピニー川とデビルズエルボーの橋が見渡せるワイナリーだってある。要チェックだ!

更にはミズーリ州で使われるブドウは、シャルドネル、セイヴァル・ブラン、カトーバ、ヴィダル・ブラン、そしてヴィニョールなど、一般的にあまり耳にしないものが多い。ミズーリ州の厳しい気象条件の中で育つブドウには、何か特別に必要な「資質」があるのだろう(笑)

ところでルート66を旅している以上、95%以上の方は車の運転をしていると想像する。もちろん皆さんの一緒に旅する人が運転してくれるなら、あなたは相当ラッキーだ(笑)
「アメリカは飲酒運転は大丈夫なの?」
そう思われる方も多いだろう。

しかしながら日本と同様、アメリカでも残念ながら「飲酒運転は犯罪」である。
が、しかし!
一滴飲んでも捕まってしまう日本と異なり、アメリカの場合は一定のルールの下、飲酒運転は可能だ。(もちろん推奨する意味ではないので飲んでの運転は自己責任で充分に注意して頂きたい)

州によって若干異なるものの、「最大血中アルコール濃度」というものが判断基準となり、基本的に21歳以上の大人は.08%、21歳未満の未成年者は.02%と規定されている。
但しこの血中濃度は自身で分かるものではない上、アルコールが強い弱いの個人差が非常に大きく、またその時の体調も左右すると聞く。 個人的にはどのくらい飲んだらどうなのかという大まかな「基準値」を知る機会があったが、「嗜む」程度にしておくこと、時間を充分に取ること等、しっかり対応策は心掛けたい。

ルート66の1日を終えてモーテルに帰る時は、お気に入りのミズーリ州のワインを1本(もちろん2本以上も!)持参して、モーテルの庭なんかで一日を振り返るのは幸せの極み。
それにラベルに「ルート66」なんて書いてあったら超テンション上がらない?



Fanning 66 Outpost の閉店

Fanning 66 Outpost
マジかっ!記事を見た私の第一声。いやいやいや、それはないだろう。そういうの本当に勘弁して欲しい(泣)
ミズーリ州ファニング、「世界最大のロッキングチェア」があるお店で永らく愛された Fanning 66 Outpost がいきなり?閉店ときた。「寝耳に水」とはこういうこと。昨今経営者が高齢化したり、ビジネスが上手く行かなかったり、でレストランやモーテルが閉まったり売られたりする話は聞いてきたけど、お土産屋さんの突然のクローズは中々珍しい。趣のある良いお店でしょ?
残念だなー。本当に。

Outpost Insideお店の中はこんな感じ。ルート66のお土産品はもちろん、日用雑貨や簡単な食料品や酒類、家畜用の飼料からライフルまで。結構幅広くやってたんだけど「不況」が閉店の理由らしい。まあ確かにミズーリの冬は寒いから、カリフォルニアやアリゾナと違って所謂「シーズン」と呼ばれる期間は短いんだよね。

Wine Fanning 66確かにいつも自分が行った時も、意外と?観光客は少なかったけど、地元の人は結構来て油売ってた。この Fanning というエリアにはワイナリーまであって、ルート66から一本入ったところにも2カ所ほど試飲ができるきちんとしたワイナリーがあるんだ。もちろんこのお店でもグラス単位で販売してる。確か一杯$2程度だったと思う。ボトルも一本$9.99+税金。フレンドリーなこと、この上ない。味がフレンドリーかどうかはここでは言及しないけど(笑)

この方は私が行くといつも優しく出迎えてくれたバーバラさん。「肝っ玉かあちゃん」みたいで、いつも元気。そおっと店に入っても「あれあれ、今日はまた珍客がいるなぁ」と笑顔と共に軽いジャブが飛んでくる。よそ者にとってこれ以上にリラックスさせてくれる言葉はない。

IMG_1127会って何回目かに、たまたまカリフォルニアのワインはどうだいなんて話してた時、地元のハンターのような叔父さんが(猟銃抱えたまま)「じゃあな先生、うちの孫娘よろしくな!」って言いながらウィンクして出てったから、「先生って何の?」って彼女に聞いたら、「あれ?知らなかったっけ?」って。
何とバーバラさん、地元小学校の校長先生だった。学校の仕事のないとき、週末、夏休みなんかはボランティアしてるんだってさ(笑)

そうそう、ロッキングチェア。このお店は2007年に出来たんだけど、その翌年にオーナーのダニーが「客寄せパンダ」的に造ったもの。当時のギネスブックに「世界最大のロッキングチェア」って載ったんだ。それによって確かにお客は記念撮影に沢山来たらしいけど、そのお客が皆買い物をしてくれたかどうかは気にしてないんだそうだ。意味不明。。。
後になってイリノイの方に更に大きなチェアができちゃったから、じゃあ違うアプローチに、って言って椅子を赤く塗って「Route 66 Red Rocker」とさっさと改名。ダニーさん超負けず嫌い(笑)


こんな💛ウォーミングなお店がなくなるのは本当に残念。
椅子の行方も含めて早速彼らに連絡しなきゃ。

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