オクラホマ州バートルズヴィル。タルサから約30キロ、もう少し北へ行けばカンザス州とのボーダーにある、人口約35,000人の素敵な郊外の街に彼は住んでいる。
“Tattoo Man of Route 66” ‐ ルート66の世界で彼の存在を知らない人はいない。生きる「伝説」だ。彼の身体に100以上のタトゥー、そう刺青が彫ってある。足の指先から、腕、胸、腹、背中、そう文字通り身体中に。最近は場所が無くなってきて困っていて、とうとう髪の毛を剃って頭にそのスペースを求めている。
最初に彫り始めてから約18年、使ったお金はUSD$20,000 ドル(約230万円)を下らないそうだ。彫り師は数人いるそうだけど、カンザスの Gypsy というアーチストがそのうち一番多く、30 近く担当しているとか。


そして更にカッコイイのが彼の愛車、1956年製 Chevy。赤、青、白のアメリカ国旗三色で統一された何とも言えない輝きを放つ彼の相棒は遠くからでも一目で彼が来たと分かる。初めてタルサで会った時もそれでやって来てくれた。

そんなタトゥーマン、(本名は Ron Jones )Ron がある日こんなことを言って来た。

「なあトシ、お前のルート66に対する愛情と熱意に敬意を表してお前の名前を彫るから漢字で名前を書いて送ってこいよ」

はあ?一瞬どころか、二瞬も三瞬も耳を疑ったよ。
「俺の名前を彫るって?正気かいロン?」、こうとしか言えない(笑)
どうやら本気らしいので取りあえずそれから自分の名前を漢字で書いて送った。
それから1か月ぐらい経ったろうか。Ron の右の乳房の上に彫られた私の名前の写真が送られてきた。

2015年10月、イリノイ州エドワーズビルにて

この時の感動は今でも忘れないけど、その嬉しさをどんな言葉で表現していいのか困ったことが一番の思い出かもしれない(笑)
彼が一番最初に彫ったルート66のシールドから始まって、モーテル、ダイナー、Cars のキャラクター等様々な著名なアイコンやネオンがぎっしり詰まったその「身体」に一緒に入れて貰えるなんて!しかも同じ日本人でその時 Ron の身体に彫ってあったのは私の敬愛するルート66の大先輩、竹内章夫氏だけだ。(その後ラスベガス在住の素敵な写真家 Ken Kanazawa 氏も刺青のお仲間に)

Ron に後悔させないよう、今まで以上にしっかりルート66と向き合って、出来る限りのお手伝いをして行かなきゃね!

これはまた別の投稿で触れたいけど、同じく私達共通の友人に「The Road Crew」というルート66を中心に活躍する素晴らしいバンドがある。その彼らが昨年リリースしたアルバムに Ron に敬意を表して一曲書いているんだ。

今日の最後はそのナンバーを YouTube で。勿論ご本人達、登場です 🎶