アーケディアのネオンフェスタ後、今回の最終訪問地であるテキサス州アマリロに向けて私は西へ西へと車を走らせる。
次の大きな目的は Erick という小さな街の偉大なエンターティナーに会うためだ。
Harley Russell、自らを「二流」と呼ぶルート66を代表する「一流」は今日もまた観光客を持て成す。
街の中心を横切るルート66を Sheb Wooley 通りで左折すると、見慣れた標識と看板で覆われた宮殿が見えてくる。変わっていない、そう変わるわけないか(笑)


ちょうど到着した時は建物の前に何も停まっていないシャッターチャンス。中からはもう帰るであろう観光客とHarley が会話をしているのが聴こえた。


「やあ、Harley 調子はどうだい?」内に開く網状の扉を開ける。
「おやおや誰かと思えば珍しい客だな」と、言葉と裏腹な人懐こい笑顔を顔いっぱいに出迎えてくれる。

相変わらず元気そうだ。「最近はどうしてる?」「今回はどこまで行くんだ?」「日本のツアー客はまだかい?」矢継ぎ早に質問の集中砲火。まあいつものことだ。とは言え、彼は特に質問の答えを早急に求めているわけではないのだ。

 

 

 

「まあ、いい。後ろの家の方でゆっくり話そうじゃないか、今日はもう予約は入ってないからな」笑顔そのまま「宮殿」から一本隔てた自宅へと導かれる。


「好きなとこに座んな。アイスティーでいいかな。これは俺の特製さ、美味いんだ、きっと気にいるさ」そう言われたら要らないとは言えない(笑)

そうやって私とHarley のゆっくりとした時間は様々な話をしながら過ぎた。なぜかこの場所に来ると、Harley と話をしていると気持ちが安らぐ。不思議な感覚だ。ルート66を愛し、音楽を愛し、旅を愛する。そんな共通点が国も人種も文化も全く違う人間を出会わせ何度か同じ空間に置く。何度も繰り返すが、これがルート66に魅了された楽しさの一つだ。私達の大きな違いは、彼は「一流」のエンターティナー、私は(そこそこ一流の)人見知りという点だ(笑)

どの位時間が経ったのだろうか。春から夏に移行する中世部は陽が長いが、もう夕方か。互いの近況や事情を一通り話し合った。楽しく、そしてゆっくりと落ち着いた時間をまた過ごさせてもらった。本当に寛げる安らぎに時間を与えてくれる Harley に感謝だ。

次の再会を約束して私はゆっくり腰を上げた。さて、いよいよテキサスだ。

追伸①:例のアイスティーは美味しかったけど、ちょっと甘いなぁ(笑)

追伸②:今日8月19日は、UKからの訪問客と元気にFBに載っている。人気者 Harley の夏はまだまだ終わらない。
(写真は彼自身のFBページより)