「何だこの風変りな(可愛くない)巨大クジラは?」
私がオクラホマ・ルート66を通行中、初めてこの ”Blue Whale” を見た時の感想である。
それはオクラホマ州タルサの街から東へ約16マイル(26キロ)程行った、Catoosa という街にある、地元民は当然、多くのルート旅行者に人気のあるアトラクション施設だ。ウォーターフロントの構造と言われるが、いわゆる大きな池で水遊びが出来る規模であり、リゾート感覚溢れるそれとは大きく異なる。

ルート66上にあるが、Blue Whale 自体はルート66の歴史と共に歩んできたわけではない。事の発端は、1970年代初めに Hugh Davis という男性が、鯨の置物集めが好きな奥様、Zelta さんに記念日の贈物として青いクジラを造った。(何とも壮大な贈物だが)元々は家族限定の遊び場であったが、余りにも地元の人達から人気があったため、砂で海岸っぽいものを造り、ピクニックテーブルなどを設置して、一般に開放することとなったらしい。

その後自然が大好きであった Davis 氏は、”The Fun and Swim Blue Whale and the Animal Reptile Kingdom” と、名称を代え、更に彼の義理の弟、生粋のアコマインディアンの部族長である Wolf Rob Hunt 氏の絵画や銀細工を、通りを渡ったところにお店を展開して販売した。店の跡地は中々目を引くフォトジェニックな建物である。


1990年に Davis 氏が、そして奥様の Zelta さんも 2001年に亡くなった後、誰も世話する人がいなくなりBlue Whale は一時的に衰退するが、それから約10年後、地元 Catoosa の人達と、ご近所さんの(我がファミリー!)Hampton Inn の従業員さん達の手で資金調達とボランティアが開始。オリジナルである明るい青色にピクニックエリアも復元した。冒頭の写真は復活後の姿。
現在園内にはギフトショップもでき、インディアンの地を引く心優しい LINDA さんが代表となって切り盛りしている。
最初に出会ったときも “I know you! I saw you on Facebook!” と向こうから気さくに話しかけて来てくれたものだ。
こうして背景をよく聞き、実際に運営している人達と知り合うと、冒頭に述べた鯨さんも可愛く見えてくるから不思議だ(笑)今では結構の癒しキャラで大好きだ。


Blue Whale をちょっと有名にしたのが、Snapchat から発売されたメガネ型カメラ、Spectacles に動画コミュニケーションの一部として採用されたこと。
当初日本未発売であったので、もしご存知ない方はこちらの記事を ⇩
https://www.movie-times.tv/topic/9155/

Youtube でも紹介されているので是非見て頂きたい。

そんな Blue Whaleにちょっと前、4月の終わりに悲しい事件が発生した。
何物かが夜分に侵入してピクニックテーブルを破壊し池に投げ込み、さらにはごみまでまき散らすという蛮行をはたらいた。当然監視カメラを付ける等の警備強化が施されたが、何とも残念な出来事である。

This picture from Route66News.com