FB、Ken の投稿より

2018年2月13日、ルート66を語る上で最も敬愛すべき大切な友人の一人を、また私達は失った。Cyrus Steven Avery II、彼はオクラホマ州タルサ発の Route 66 Alliance と共に Route 66 Experience Museum Complex(ルート66体験型博物館)の建設に尽力、「まだ」85歳だった。
http://www.route66alliance.org/

名前を聞いてピンと来る方も多いかもしれないが、彼は「ルート66の父」として知られている Cyrus Stevens Avery 氏(1963年没)のお孫さんなのだ。
Avery 氏は米国高速道路66協会の創設を推進し、ルート66の舗装に努め、現在の高速道路システムの基礎を築き上げ、また1929年には同協会の副理事も務めた伝説のヒーローだ。

私の良き友人である Route 66 Alliance のエグゼクティブディレクター兼CEO、Ken Busby 氏は、先日 Cyrus の死後、Facebookに下記のメッセージを投稿した。
Ken の言葉のニュアンスを変えたくないので原文そのままを記載したい。
「We lost another intrepid soul yesterday. … Cyrus Avery (Cyrus Stevens Avery II), the grandson of the Father of Route 66, passed away at his home. He was 85 years young!! I had the good fortune of working directly with Stevens, as he was called, for the past three years as Stevens, Michael Wallis, and I have been securing funds to build the Route 66 Experience near the plaza that bears his illustrious grandfather’s name. Our work continues in honor, and now in memory, of a man who was devoted to all things Route 66 – the Main Street of America! Godspeed, my friend. …」

そんな Cyrus Avery II 氏に、私は一度直接お会いして食事をする機会を貰った。
2015年の夏のことだ。タルサ市のとあるダイナーで、彼と Ken、そして同市出身の親友フォトグラファー Rhys、そして伝説のタトゥーマン Ron という豪華な顔ぶれだ。当時はまだ Route 66 Alliance のプロジェクトが発足してそれほど時間が経っていなく、そのプロジェクトの重要性、価値を一生懸命に Ken と Cyrus が夢と希望に満ち溢れた眼を輝かせて説明してくれた。
僭越ながら私はルート66日本アソシエーションの代表をやらせてもらい、その立場でじっくり話を聴いた。すぐには実現が難しいが、きっと遠くない将来何等かの形でこのプロジェクトに個人的にも、アソシエーションとしても協力させて貰いたい旨を伝えた。わずか2時間弱の対面ではあったが Cyrus が放った情熱と言葉の力強さはとても 80歳を超えた人間には思えなかったことを良く記憶している。


向かって一番左が Cyrus Avery II 氏

前にも書いたが「一期一会」の言葉はルート66 に関わるようになってから身を持って経験することが増えた。もちろんルートに携わる多くの方々が年配であることは事実だが、何と言っても全長 2,347 マイル (約3,800キロ)もあるルート66だ。そうそう皆に頻繁に会うことはできない。
Packard Museum の Laurel を私達が失った時も急であり、私個人としては「やっと会えた」たった一回の面会だった。(www.toshi66.com/2016-01-28 参照)
しかし、そんな一回でも、たった数分の会話だったとしても、共通の思考(嗜好と書くべきか)や夢を持つ仲間たちとの出会いや繋がりは一生心の中から消えない。あの時会えて良かった、あの時話が出来て幸せだった、という想いは私の中に数多く存在する。ルート(道)と真剣に向き合うようになってからの私自身の財産である。

生前 Cyrus はこんな事を教えてくれた。「私のお爺ちゃんのモットーはな、”Live with Ants in Your Pants” だ。自分もそう心がけている。分かるな?」
これは言い回しの一つで直訳すれば「パンツの中の蟻と生活する」だが、意味は好奇心旺盛に常に活動しろ、ということだ。
私はどちらかと言えば好奇心が旺盛な人間ではないので、この言葉はそれ以降常に頭の片隅に存在し私を刺激し続ける。

Cyrus はタルサ・ルート66 沿いにある ローズヒル メモリアル公園に、彼のお爺さんと一緒に眠るらしい。お疲れ様でした。後は私達に任せてください。ルート66は永遠に!