唐突で恐縮だが皆さんはシカゴの高架鉄道、乗ったことはあるだろうか?渡米して30年、シカゴに住んだ経験はないが行った回数は数限りない。ダウンタウンや空港周辺を始め、シカゴの大体の場所は地図なしでも行けるぐらい知っている。だけどシカゴ・ダウンタウンの名物?高架鉄道に乗ったことは一度もないのだ。

私にとってシカゴ高架鉄道といえば、真っ先に思い出すのは1993年公開の映画「Fugitive」(逃亡者)だろうか。奥さんを殺害された主人公役のハリソン・フォード氏が犯人を追い詰めるたり、追っての警察を撒くシーンに使われた部分だ。


今回のシカゴ滞在は最終日1泊。ダウンタウン地区に宿泊することに加え、MLBホワイトソックス対かカブスの「シカゴ・ダービー」を堪能する理由から、一念発起、是非乗ってみようと決意した。現在一時的とは言え東京に住む身としては、シカゴですら中々簡単に行ける街でもなくなってしまったので、非常に良い機会かなと勝手に不要な理由付けもしてみる。

 

 

宣伝する意図はないのだけれど、シカゴの宿泊はダウンタウンループ南にあるコンベンションセンター近辺の「Home 2 Suites」、ヒルトンブランドの全室スイートタイプの長期滞在用ホテルだ。たった1泊だけど、この長期滞在用スイート施設が私は大好き。異ブランドだが、以前働いていたホテルの施設がそうだったこともあり、その利便性と魅力にすっかり魅せられてしまった。

ついでだから言わせてもらうと、この施設はヒルトンが最初の「試験」として世界中 5,100 あるどこよりも先駆けて作ったトライ・ブランド施設。
ヒルトン系列のハンプトン・イン、ガーデン・イン、そしてホーム2スイートの異なる3種の施設が一つの建物を共有するというものだ。
英語版になるが興味のある方は下記リンクを読んでみて頂きたい。

https://newsroom.hilton.com/hampton/news/hilton-opens-first-tribranded-hotel-at-chicagos-mccormick-place

話は逸れてしまったが、要はこの施設からはダウンタウンに行くにも、ホワイトソックスのスタジアムに行くにも高架鉄道が最も便利で移動時間が早い、ということだ。
少し見に難いが、シカゴの鉄道はこのようにダウンタウンをループ(環状)に回りながら南北東に向かって伸びている。かなりのエリアをカバーしているので意外と(怒られちゃうね)便利だ。


ホテルのあるのが McCormick Place というところで、駅に向かって3、4分程度歩くことになる。治安的には正直良いエリアではないので、米国に住んだことがない方は少し怖い印象を受けるかもしれないが日中は大丈夫だ。
更に便利なのは、REDLINE と GREENLINE が駅こそ違うが、お互いに3分ほどの距離にあるので乗り換えも差ほど苦にならない。
スタジアムに行くには REDLINEが良いのだが、ダウンタウン地区はホテルからだと、GREENLINEの方が少し街中に着いて便利だ。

さて駅に着くと早速切符の自動販売機がある。切符の購入は基本自販機なので、小銭や1ドル札、または5ドル札あたりを持っていないとちょっと不便になる。
100ドル札などは当然入れることができないが、もし入れられたとしても正確に動かない場合も少なくないので、そんな大金を入れてみようなどと思ったことすらない。東京の地下鉄は平気で10,000円札が入れられるので、とても安心な国だ、と帰ってつくづく感じた。

改札も当然?無人。切符を入れて通過すると階段をひたすら上る。エレベーターもあるが古い感じで途中で止まったら面相だな的なものだ。密室という状況を作りだす場所でもあるために、身体に特に故障がない場合は100%階段がおススメ。

駅自体はとてもコンパクトにまとまっていて、見渡しも良いし表示もしっかりしている。日本と違ってきちんとした時刻表の表示はないものの、待ってれば大体10分もすれば来る。どこの街でもそんなものだ(笑)それだけに「2分後に必ず来る」とわかっている東京の朝のラッシュ時になぜ多くの人がホームを走って駆け込み乗車をするのかがいまだに理解できない。

暫くするとお目当ての電車が来たので乗ってみる。ラッシュ時ではないので車内は比較的空いた感じで無機質だが小ぎれいだ。乗り合わせた観光客がとても明るい気さくなご夫婦だったので、彼らを交えて何人かで会話が始まったのだが、最近はこの高架鉄道に乗る観光客が増えているらしい。理由はシカゴの街はレンタカーで走るには金がかかりすぎるから、らしい。そう言えばシカゴは郊外でもない限り路駐ができないので、どうしても有料駐車場を利用することになる。2,3時間も停めれば平気で40ドルを超える。ホテルだって一晩車を預ければ50ドル~60ドルが相場だ。しかもフリーウェイを筆頭に渋滞は非常に醜い。まさにその通りだと納得した。

GREENLINE に乗ってついたのがここ。まさにシカゴダウンタウン地区の中心。ミラクルマイルと言ってレストランやブランド店、デパートなんかが立ち並ぶ。私のお目当ては一箇所、NHL ブラックホークスのオフィシャルショップのみだ。その他ベアーズやブルズを始めシカゴのスポーツチームの商品を一気にみられるお店もあるので、スポーツファンの方にはおススメしたい。

その後今度は REDLINE に乗ってスタジアムのある35丁目駅まで南下する。時間はすっかり夕方。McCormick 駅のホームからは何とチャイナタウンの入り口が良く見えた。アメリカの大きな街で(いや、大きくなくとも)チャイナタウンのない街なんぞない、と言って差支えないと思うが、特にチャイナタウンを探すことはないので、いきなりの登場に驚きと感動が入り混じった!((´∀`))ケラケラ


ホワイトソックスのスタジアム、今はスポンサー企業の冠名がついた「Guarantee Rate Field」という。ホワイトソックスのスタジアムは長らく「Cominsky Park」と名前でファンに親しまれてきたので、私も今でもそのように呼ぶ。1991年に新しくスタジアムが建設され暫くはそのまま使われてきたが、2003年に「US Cellular Field」と名前を変え、その年のオールスターゲームは「シカゴはベースボールタウン!」というのを強烈に印象付けた熱狂を現地で体験している。2005年のワールドシリーズを含め沢山の思い出のあるこのスタジアムに還ってくることはいつも嬉しい。

そんなことを考えながらスタジアム駅に到着した。さあシカゴ最後の夜の宴の始まりだ!