2020年9月6日(水)午前9時半に差し掛かる頃、そのイベントに参加している現地の皆の歓声が上がった。
“Wow!” “Bravo!” “Fantastic!” “Light is on now!”
エイヴリー・プラザ・サウスウェストでは、ネオンサインパークの新規設置を祝う点灯式が開催されている。

今回レプリカとして設置されたのは、Will Rogers Motor Court、Tulsa Auto Court、そして Oil Capital Motel の三つだ。
ネオンサインの高さは約20フィート(6m)、実際に過去に存在したものを可能な限り正確に再現したものなのだ。

イベントにはタルサ市長である、G.T. Bynum 氏、市議会議員である Jeannie Cue 女史、さらにはタルサ郡委員会から Karen Keith 女史も駆けつけ、このイベントが如何に郡、市、そして地域にとって大切な意義のあるものなのかが伺える。

市長のカウンタダウンの下、点灯された瞬間

勿論友人である、Route 66 Alliance の Ken Busby 氏、今や同州ルート66アソシエーションの代表を務める Rhys Martin 氏の参加は言うまでもない。

イベントで挨拶をする Rhys Martin 氏

事実、この制作にかかった費用(US$ 50万ドル= 5,200 万円)は、”Vision 2025 Route 66 Project” から捻出されているものだ。今から20年近くも前に、この2025ヴィジョンを含んだ税金徴収案は有権者の皆さんに歓迎され可決されている。(そう、ルート66の保存については、もはや国家プロジェクト並みなのだよ 笑)

イベント後、Bynum 市長は自身の Facebook アカウントでこのように投稿している。

このネオンサイン・パークの建設に関する報道を最初に目にしたのが、今年の4月、Route 66 News に載った記事。
「サイラス・エイヴリー・ルート66百周年記念広場」と “East Meets West” のブロンズ彫刻がある橋の西側を利用してパークを造成する、というものであった。
Route 66 Commission によれば、この計画は2018年には提唱されていたらしいけどね。

今まで何度も訪れたことのある私の大好きなエリアであるだけに、その興奮は止まらなかった。コロナ禍が無ければ、間違いなく4月の渡米予定時には、そのスケジュールに組み込んだことだろう。残念!(泣)

これは Tulsa Planning Office の公式サイトによる、上空写真。設置場所がはっきり示されている。

赤い円で囲んだのが、今回設置されたネオンサイン・パーク、そして河の上部に青い円で囲ったのが、百周年記念公園の場所だ。

Route 66 News のサイトではより詳しく、このようなイメージが掲載された。


イベントの席で Bynum 市長は、前市長である LaFortune 氏が立ち上がった資金提供の「未来をみた」行動に感謝すると同時に、ルート66がいかに全世界の旅行者やルート66ファンに影響を与えているかを雄弁に語った。
また、レプリカをデザインしたアーチストの David Hoffer 氏は、前述しらように、それらネオンサインを可能な限り歴史的に正確なものにするため、Rhys と一緒に相当な努力をしてくれたようようだ。古い写真しか残っていないような状態のものもあったそうだが、そこから大きさ、色、質感など、不明確な情報が多い中その苦労は相当なものであったと想像する。
本当に敬服ものだ。

オクラホマ州はルート66への熱がすごい。(他州はそうではないと言ってるわけではないよ 笑)
取り分けタルサは実に多くの「情熱家」が集まってその歴史を文化的意義を後世に残そうとするその尽力は半端ではない。
ネオンサインに関しても、今年の5月には Historical Route 66 Village に点灯され、新名所、Buck Atoms の点灯式の様子も同様にここでお伝えした通りだ。

My friends, Buck Atoms Owner, Mary Beth & Samantha Extance Martin from Mary Beth’s Facebook Post


点灯式に際して Rhys は言った。
「ネオンサインはただ単にカッコいいから(それは勿論そうだが)その歴史が称賛されたり、人々に人気があるわけではないんです。ネオンサインは「ファミリー」の象徴なのです。これらサインの背後にある、そのビジネスを支える人々があって初めて存在する。ルート66の体験は、その人々との繋がりを感じること無しでは絶対完結しないのですよ!」
何と粋な言葉だろう。友よ、君は最高だ!
こんな素敵な友人らと関われる人生に、感謝の念は尽きないよね。

末筆になるけど、YouTubeでエイヴリープラザの空からの映像があったので是非ご覧になっていただきたい。
そしてコロナ禍が終息した暁には、是非足を運んでルート66の過去と未来を体験して欲しい。