Month: June 2020

Frecs ルート66 デビュー!

A 19-foot-tall sculpture named Frecs now overlooks old Route 66 in Galena. Pictured are (from left) former Galena Mayor Dale Oglesby; Renee Charles, President of the Kansas Historic Route 66 Association; and current Mayor Lance Nichols. by Joplin Globe | Kimberly Barker

“A new Muffler Man – a 19-foot-tall miner named Frecs – recently was erected on old Route 66 in Galena, Kansas”
というニュースが飛び込んできて早一年近くなろうとしている。

2,347マイル(約3,755キロ)に及ぶルート66の僅か 1%にも満たない、17マイル(約27キロ)しかないカンザス州ルート66に新しくマフラーマンが建てられる、と。
誤解のないように最初に明言するけど、カンザス州はそのルート66の中でも私は取り分け好きな州のうちの一つだ。
マフラーマンに関しても過去このブログや、月イチ連載している「週刊NY生活」のコラムにも何回か取り上げてきたので、今更説明は不要だろう。

日本に一時帰国して以来、アメリカには毎年春に諸用で帰るのだけど、2020年の春旅にはこのカンザス州ガレナの新マフラーマン、訪問予定に入れていたんだよねー(涙)

地元紙 Joplin Globe によれば、この 19フィート(約6m弱)の高さを誇るマフラーマンの名前は Frecs、街の歴史保存されている高架橋の近くに設置されているらしい。名前の由来は実在する人物、鉱山労働者の Milbern John Busick 氏より取られたもので、彼の赤毛とトレードマークである「そばかす(Freckles)」から Frecs となった模様。

このプロジェクトが始動したのは当時より約18か月前と書かれているので今から計算すればもう3年以上も経つことになる。Kansas Historic Route 66 Association を運営する Renee Charles さんの発案で、この地域で鉛と亜鉛の発掘を行い、街の発展に人生をかけた祖父、Busick 氏に敬意を表してこのマフラーマンを作ることを思いついたようだ。

この Frecs は、キャンバス、布シート、接着剤、塗料などの材料で構成された「貧乏人のグラスファイバー」と呼ばれるもので作られている。 それら消耗品と労働力の大半は寄付されたものらしく、溶接を担当した John Simon 氏やルート66の一組織である、Young Roadie Association のメンバーたちも一役買って出たそうで、文字通り街を挙げてのプロジェクトとなった。

Renee とは個人的に親交もあり、今月頭にも Kansas Route 66 をサポートする署名運動にも要請を受け、Route 66 Association of Japan としても微力ながら協力させて貰った。
次回私の大好きな Galena を訪れるのはいつになるのだろうか。
夢の中では一度見に行ったんだけどね。

ABQ Balloon Fiesta 延期へ

大変なことになった。

先日ここでも紹介した週刊NY生活に投稿した、「コロナ禍がルート66に及ぼす影響」の中で懸念したことが何と哀しくも現実になってしまった。
本来であれば「Toshi の大予言!?」などと軽口を叩くところだが、今回ばかりはそうはいかない。非常に残念なことに、毎年秋恒例の”Albuquerque International Balloon Fiesta” が1972年開始以来、初めての中止に追い込まれることになったのだ。。。

実はこれね、結構厳しいんだよ。ニューメキシコ州の財政は石油とガスの生産、観光業そして連邦政府予算が重要な推進力になってる。コロナ禍の影響で石油とガスのマーケットが崩壊した今、観光業は取り分け重要な役割を担うべきなんだけど、この観光業は言うまでもなく、ニューメキシコだけでなく世界的に「大恐慌」の状況だ。

数字で言えば毎年の動員数は平均86万人だそうで、イベントが開催される9日間はアルバカーキ―を始め、多くの観光客が州都、サンタフェまで押し寄せる。アルバカーキー中心部のビジネスボリュームに与える経済効果の合計は、1億862万ドルと推定されているのだ。
(実際昨年、2019年のバルーン・フィエスタに帰属する政府収入は、ニューメキシコ州が652万ドル、アルバカーキーが409万ドル、べルナリロ郡が144万ドルと推定されている)
つまりは、この「旗艦的」イベントの中止は、パンデミックがいかに深刻な状態にあるのかを逆に明確にした形になったよね。

フィエスタ理事会のMatt Guthrie会長の言い分はこうだ。会長を始め団体の皆がイベントの開催は心待ちにしていたし、パンデミック発生後もまだ10月まで時間はあるから開催できると信じていた。だけど、参加者の健康と福祉に悪影響を与える可能性は充分にあり、パイロット、ゲスト、スポンサー、スタッフ、そしてボランティアの安全は常に彼らの最優先事項であり、その公約を守ることに専念しなければならないと。
それはそうだよね、もし誰かが、イベントの参加者が、COVID-19に感染してしまった場合、大問題に発展することは想像に容易いし、それこそ今後の運営そのものにも影響が出るに決まっている。中止にすることで生活が回らなくなる人も出てくるかもしれないことを考えると、すごく辛く難しい決断だが、実に懸命な判断と思う。

実際、ニューメキシコ州観光局も「今回の困難な決定はニューメキシコの人々の健康と安全を念頭に置いてなされたものであることを理解しています。観光業はニューメキシコ州の復興に欠かせないものですが、公共の安全を最優先する必要があります。」と間髪いれずに100%の指示を表明した。現にコロナウイルスは、アメリカ国内で少なくとも230万人に感染し、12万人以上が死亡しているのだから。

ここで地元3大ネットワークでのニュースを。

News from KOB Channel 4
News from KOAT Channel 7
News from KRQE Channel 13

聞くところによると、バルーン・フィエスタは非営利組織で、24 人のボランティアの理事会メンバーと年間 20 人のスタッフによって運営されているらしい。2020年は 600 人以上のパイロットをホストし、1,657 台の RV の予約を可能にし、何百ものスポンサーと調整、1,000 人以上のボランティアをサポート、23 万個の商品を注文、エンターテイナーや売店経営者と協力して仕事をする準備をしていたという。これらを踏まえた上で、最終的に10月にイベントを開催できなくなると。もう想像もしたくないよね。

と、冒頭からバルーン・フィエスタが何か知ってて当たり前、的な物言いを進めてきたけれど、それは一体何ぞや?という方に紹介しましょう。

「アルバカーキー・インターナショナル・バルーン・フィエスタ」は10月初旬にニューメキシコ州アルバカーキーの大平原?で開催される「熱気球飛ばし」のイベントだ。第1回目は1972年、わずか13組の参加だったが、今では600ものバルーンが飛び交う「世界最大の」バルーンコンベンションとなったのだよ。実際登録されたバルーンの数は2000年がピークで1,019まで行ったけど「量より質」を重視した後、2009年以降は今の数に抑えたのである。

そもそも始まりは地元ラジオ局、770 KOB Radioの50歳の誕生日祝いのハイライトイベント。同局のマネージャーであった Dick McKee氏、同州で初めて熱気球を所持した Sid Cutter氏、そして熱気球では第一人者である Oscar Kratz 氏の3人によって実現に至ったわけ。

当初の目的は「史上最大の熱気球イベント」で、当時は英国で行われた19組参加を超えるイベントを目指していたらしい。結果21人のパイロットからの参加コミットメントを得たものの、悪天候によってその地に到達できない者も多く、最終的には13組の「風船の集まり」として終了したようだが、このイベントはアリゾナ州、カリフォルニア州、アイオワ州、ミシガン州、ミネソタ州、ネバダ州、そしてテキサス州からのバルーニストが参加し、総勢2万人を動員したというから、大したものではないかい?立派だと思うなー。

公式サイトは、https://balloonfiesta.com/

何―んて偉そうなことをズラズラと私も並べてるけど、自分がニューメキシコ州に移住するまで実は全くそんなこと知らなかったんだよね(笑)
仕事の都合でサンタフェに移住したのが2010年。ハイアット系のゴルフリゾートホテルだったから、ゴルフシーズンは鬼のように混んで忙しかったんだけど、季節外れの10月にまたピークを迎える繁忙期が最初は全く意味が分からず、それでこのイベントのことを知ったってわけ。 (更には自身の働くホテルがスポンサーをしていたこともあるけど)

アルバカーキ―、いやニューメキシコ州の誇るサンディア・マウンテン

ではここから序にちょっとハイアットの宣伝も。

Albuquerque International Sunport (空港)より車で約30分、アルバカーキ―郊外の Rio Rancho という場所に建っているリゾートホテルは2001年のオープン。そうそう、空港だからと言って「Airport」ではないぞ。「Sunport」と名付けたところに拘りを感じさせる。
“Hyatt Regency Tamaya Resort & Spa” と書かれた正門の位置からはホテルの姿なんぞ見えやしない。ここから車で更に電灯一つない「荒野」を10分近く走るのだ。

このリゾートホテルは Santa Ana Pueblo の保有地(約73,000エーカー)の中で500エーカーほどの場所を利用して建てられた。
保有地全体の大きさからみると「たったの500?」と感じるかもしれないが、それでもわかりやすく言えば東京ドーム約43個分の広さなのだ。
総部屋数は350、3つのプールに、2つの(USオープン公式練習場として利用される)5つ星のゴルフコース、そして4つのレストランに、雄大な景色というニューメキシコを思う存分味わえるホテル。バルーン・フィエスタの会場までも車で約15分と利便性は◎ですよ。

https://www.hyatt.com/en-US/hotel/new-mexico/hyatt-regency-tamaya-resort-and-spa/tamay

バルーン・フィエスタは深夜まだ暗いうちから始まる。これは Dawn Patrol と呼ばれるもので、1978年のバルーン・フィエスタで、カリフォルニア州の気球愛好家が夜間飛行を可能にする位置照明システムを開発したことから始まった。Dawn Patrol は日の出前に離陸し、着陸地点が見えるほど明るくなるまで飛行する。もう暗いうちから観光客はいっぱいです。お店もフル稼働状態。

そしてハイアットのロゴの入った気球。スポンサーらしく、ね。

こんな愉快なキャラクター達や、あのベーダ―卿までお出ましだ!

上がったー!

バルーン・フィエスタの理事会は、今年のイベントは来年 2021年まで「延期される」と発表。第49回目の年次イベントは、2021年10月2日~10月10日に開催される予定だ。

Guthrie 氏はこう言う。
「これは確かに後退ではあるが、私たちは今後もこのイベントを世界で最も素晴らしく最高のイベントにすることに全力を尽くし、バルーン・フィエスタ・パークが再び風船と笑顔で埋め尽くされるのを待ちきれません。」と。
2021年はどのようなフィエスタが見られるのだろうか。

週刊NY生活月イチ連載 SEASON 3: Vol. 15 コロナ禍がルート66に及ぼす影響

毎月恒例の寄稿「魅惑の旧街道ルート66をフォーカス」SEASON 3、第15回目(06月号)は、相も変わらず世界を騒がしている「コロナ」は、ルート66で行われるイベントを軒並み中止、または延期に追いやってます(涙)そんな現地の現状を皆さんとシェア。

詳細は週刊NY生活ウェブサイト ⇩ まで (18ページです)
https://nyseikatsu.com/editions/776/776.pdf

ルート66、次は絶対行こう!このスポット

私が機会あるごとに閲覧している旅行関連サイトで、昨年になるけど、興味深い記事があったのでシェア。
ライターは、私も LinkedIn で繋がっているニューヨーク出身の MARIKA KAZIMIERSKA さん。米国内だけでなく欧州を始め世界中のトラベル事情やフード関連、たまには政治ものと幅広く書いてるけど、何と今回はルート66にフォーカス!

本文は英文のみですが、気になる方はご覧あれ。
あなたの好きな場所は幾つ載っているかな?

https://www.thetravel.com/20-stops-on-route-66-worth-planning-your-us-road-trip-around/

Cracker Barrel の反撃

このブログでもここ数回程コロナ関連の「嬉しくない」記事を書いてきたけど今日は少々趣向の違う話題をお届けしましょう!

と言うことで今日のテーマは「CRACKER BARREL」。
このブログに付き合ってくれている皆さんはそれが何かは直ぐにピンと来るよね?(笑)
このレストランチェーンへの私の愛情はもう既に充分伝わっていると勝手に想定して、細かい説明は省いて進みますので、ご容赦!

その是非はさておき、米国では現在多くの州で Social Distance を含めた各制限が緩和、解除されつつある中、Cracker Barrel(以下CB)も他の多くのレストランと同様「しばらくは売上が期待できない」と予想しながらも、徐々に営業の再開していると聞いた。
Nation’s Restaurant Newsのレポートによると、CEOのSandra Cochranさんも「当面は売上が不安定になる。誰もが何が起こるか予測するのに苦労している。」と投資家相手に語っていると書かれていた。

Sandra Cochran CEO

でもね、興味深いのは同CEOの次の声明。
「過去数ヶ月間、私達CB、飲食業界、そしてわが国は前例のない極めて難しい課題に直面しています。でも私たちは、このような状況下ではあるもののやがて来る回復時期に向けて、テイクアウト’オプションの加速を含めた「流動性と複数のビジネスモデル」を強化することで、状況に合わせる事業を適応させる迅速な行動をとることで、当社を競争力の高い企業に位置づけることができたと確信しています。」

ん?テイクアウトだって?
食べきれなかったもののドギーバッグじゃなくて、TAKE-OUT。
これは今まで経験していないことだ!素晴らしい!
「複数のビジネスモデル」も非常に気になるところだ。

余談だけど、このテイクアウト、日本では「テイク・アウェイ」と呼ぶことが多い。最初聞いたとき非常に違和感を感じたのだが、調べてみるとどうやら英国ではTAKE AWAYと言うらしい。 勉強になったと同時に日本人にとってやはり英語は British English かぁ、と。。。(汗)

実はCB、ダイニングルームのリニューアルを筆頭に、新メニューの展開やアルコール飲料の販売試験など、コロナウイルスが大流行する前から開発中だった取り組みを進めているらしい。

例えば、現在約20店舗で既に「ミモザ」の提供が始まっていて、オレンジとストロベリーの2種フレイバーとも凄い人気だそうだ。
CBのホームページより ⇩ (見た目もいいよね)

更に(詳細はまだ明かされていないが)顧客がCBの食品や小売商品を購入できる「デジタルストア」も開発しており、CBの姉妹チェーンである「Maple Street Biscuit」の商品もラインナップされるようだ。

この一連の動きは、前年同期の純利益が5,040万ドル(約55億円)だったのに対し、第3四半期は1億6200万ドル(約178億円)の損失を出した後に起因している。発表では売上高は41.5%減の4億3250万ドル(約474億円)と激減。 5月最終週の既存店レストラン売上高は45%減、ギフトショップ売上高は38%減だったようだ。

それでも、Jill Golder CFOは、「CBへの投資は引き続き資本配分の優先事項。もちろん手元での現金保存は重要だが、メニューの進化、ビールとワインのプログラム、デジタル戦略、POSへの慎重な投資を行く」と語っており、さらには CB 505店舗はダイニングルームオペレーションを再開し、他の159店舗では6月末までにテーブルサービスを再開する予定だという。総数664 に及ぶ店舗はパンデミック中も営業していたことで、ある程度健康的なキャッシュフローを保てているようだ。

良く考えてみれば、CBの店舗は地理的にまだ深刻なコロナの影響を受けていない地域が大多数を占める。飲食チェーンとしては極めて稀なケースだが、何と数年前まではカリフォルニア州に店舗はゼロ、今でも確か僅か6店舗ほどのはずだ。あの広大なカリフォルニア州に!だ。
しかもロスアンゼルス、サンフランシスコ、そしてサンディエゴ等の大都市およびその近郊には未だ無い。
東の大将、ニューヨーク州ですらたったの9店舗、当然マンハッタンには無い。
(昔マンハッタンに住んでいた時、「パンケーキを食べにコネチカット州まで行く」(当時一番そこが近かった)と言ったら、殆どの場合大笑いされたものだ)

CBは、例えば今年の夏休暇時、家族が車で移動をすることが大多数になると予想される中、州間に位置する彼らの店舗は非常に有利だとほくそ笑んでいることだろう。我がCBに栄光あれ!(笑)

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