「あ~あ、オレここで何やってんだろうな~」「うちに帰りたいな~」と、何度も葛藤しているところに追い打ちをかけるようなビター・スイートな話題がやってきた。
そう、冒頭のイメージ、サウスウエスト航空創立50周年の記念大懸賞会のことだ。あ、違うよ。何も懸賞に外れたから悔しがってるわけじゃない、むしろ惜しいのは同時に開催された記念セールの方かな 😅
懸賞内容は、記念日のある同6月中、1日~18日の期間中は、ボーナスポイント、サウスウエストのギフトカード、そしてコンパニオン・パスが「毎日当たる」というもの。(初日からトライできなかったこともありハズレ)それはそれとして、より惜しいのは(実際に今乗れないわけだから仕方ないが)記念セールの方。この秋に向かって半額!50周年に因んで50%割引になるというのだっ!フライト対象期間は9月15日~11月3日までの、これも因んでの「50日間」の新規予約に適用される。

未だ決定事項ではないが、今年中に「うちに帰れる」タイミングは早くても11月下旬から12月と考えてるから、何れにせよ「対象外」なんだ。
ツイテないなー 😂

だけど、本当に残念なのは、そんな「我が」サウスウエスト航空の記念すべき歴史の節目に現地で立ち会えなかったことなのだ。ルート66とは全く関係ない話題?に聞こえるかもしれないけど、今日は私自身の「自称オフィシャル・エアライン」である、サウスウエスト航空について愛情たっぷりにお話したい。

©Stephen Keller, Southwest Airlines

サウスウエスト航空(以下WN)は、日本に就航していないので日本の皆さんには余り馴染みがないかもしれない。が、昨今航空業界でも確かな地位を確立した「格安航空会社のパイオニア」といっても過言でない航空会社だ。本拠地は、テキサス州ダラス。国際線としてはダラス・フォートワース空港(DFW)が有名だけど、「そっちじゃない方」のダラス・ラヴフィールド空港(DAL)を利用している。

創立は1967年、当時の名前は「エア・サウスウエスト」だった。実際の運航を開始したのが、それから4年経った1971年6月18日だ。彼らは航空自由化政策とともに自力で路線網を少しずつ拡大し、また他の(格安)航空会社を買収することで路線規模を拡張し、今では全米に路線網を持つ大手航空会社の一つにまで成長した。

そんなWNと私の本格的な出会いは2005年。大袈裟!🤣 その当時仕事の関係でニューヨークからロスアンゼルスに移住して、ロスアンゼルスとラスベガス間を頻繁に往復する必要があった。仕事なので「なるべく経費は抑えて」というお達しで、米国に住み始めてからずっと利用していたアメリカン航空やデルタ航空での移動を諦め、圧倒的に安い金額で乗れる WN がご用達となったわけ。

「頻繁に往復する」と書いたけど、どのくらいの頻度か想像できる?
驚くなかれ「毎日2往復」だ 😮
毎月や毎週じゃないよ、「毎日」。そりゃあ経費考えないと!だよね。
もちろんWNにも「フリークエント・フライヤー・プログラム」があったけど、毎日2回の搭乗のせいか、僅か1か月程度でプレミア会員になれたことは当時の笑い話だったな。

乗り始めた経緯はそんな感じだったんだけど、WNの凄さについては 1995年には既に知っていたんだ。というのは、その頃フロリダ州マイアミにある大学院に通ってたんだけど、カリキュラムの一つ、経営に関する授業で、「どこでもいいから自身の好きな企業を一社選び、そこにコンタクトを取り、Annual Report(年次決算報告書)を手に入れ、その企業を決算書の内容を分析し、現状や将来の見通しをレポートにまとめる」というお題が課された。何せインターネットがない時代だ。資料一つ手に入れるにも時間がかかったんだよ。最終的に私が選んだ企業は、このブログを読んでくれている皆さんは容易に?想像できると思うけど、メイプルシロップ愛が止まらないことから「Cracker Barrel」という全米規模のチェーン・レストラン。でもね、それを選ぶにあたって最後までどちらにしようか悩んだのが、実は他でもない「サウスウエスト航空」なんだよ。こりゃご縁以外何ものでもないよね 😆😆😆

じゃあ何でそんなにWNが好きなのか?

理由は簡単、文字通りシンプルだから。
「ファーストクラスなし」「座敷指定なし」「機内食なし」「航空券なし」「VIPラウンジなし」
無い無い尽くしだが、逆にそれが私には良いのだ。

もちろん飛行機が好きな人の中には、ラウンジの存在を重要視したり、ファーストクラス、ビジネスクラスの快適さを求めたり、機内食を殊の外楽しみにしている人も多いと思う。もちろんそれはそれで良い。

ただ、飛行機の中の殆どを睡眠に費やす自分には、上記サービスの有無はどちらでも良いわけで、それらが無いことで料金が安くなるならそんなに嬉しい話はない。仕事とは関係なく個人的にも全米中を駆け巡っていた私にはとにかく航空券が安いことは何ものにも代得難い絶対条件なのだ!

取り分けお気に召していることが「どこに座っても自由」の制度。チェックインのタイミングで搭乗できる順番が左右されるという事実はあるが、特に大きな問題じゃない。乗り継ぎ時間の少ないときは早く降りられる前方付近に、早朝のフライトでぐっすり寝たいときは翼の上の窓側を死守、など状況や目的で好きに座る場所を選ぶことができるのは本当に助かる。し・か・も、機内持ち込みでなく、預ける荷物にお金がかかる昨今、荷物2つまでは無料!最早言うことはない。

⇩ オマケの画像。中々「1番」の番号札を取ることができなかった当時の「勲章」だよ 😁

あ、忘れちゃいけない。どの航空会社にもHUBと呼ばれる、様々な地域からの国際線・国内線が数多く特定の1ヵ所に集まり、フライトを乗り換えて別の国や地方郡市に行くのに便利で、移動のための拠点となる空港がある。ロスアンゼルスも、後に住むことになるオークランドも、WNのHUBとなっているので、いろんな所に行きやすい利点もある。
下の地図を見てもらえれば、赤丸で囲ったのが「地元」と、ルート66の核大都市。そう、これらの都市へ飛んでいれな怖いものはないのである 😎

あ、そうそうもう一つ忘れてた。先に書いた「経営に関するクラス」のお話。WNを題材にしようと思った理由に彼らのポリシーである「お客様第二主義、従業員第一主義」がある。創業以来50年間、その期間の殆どを黒字経営で継続させてきた企業のポリシーである。
「え?逆でしょ?」という感じる方も多いのではなかろうか。

私の専攻はホテル・マネージメント(ホテル経営)なんだけど、そこで最初に叩き込まれたのは「一番大切にするのは株主、二番目に従業員、それからお客」というものだった。ざっくり言えば、株主がハッピーであれば職は保証され、従業員はハッピー。従業員がハッピーであればそれはお客に還元されるという考えだ。当時の私はさすがにびっくりしたことを憶えている。が、WN のポリシーに「親近感」と言ってはおかしいけど、類似したものを感じたのも確かだ。
彼らの「従業員第一主義」は、2001年のアメリカ同時多発テロ事件後の業界冷込時でさえ、レイオフを行わなかった唯一のアメリカ大手航空会社でもあることから覗える。
今回の50周年記念だって、約55,000人以上もいる従業員全員に50,000ポイントのフリークエント・フライヤー・ポイントを会社から配布するらしい。凄いの一言に尽きる。

このように様々なサービスを可能な限り排除しコストを抑える経営手法は、一見お客への提供価値まで削減されているように見えるという意見もある。しかし実のところ、WN 従業員の親しみ易さと、彼らの優れたホスピタリティ対応は利用客に結構な満足感を提供しているという調査結果もあったと聞いている。「世界最強のLCC」と評される由縁だろうか。

時代によるロゴの変遷

さて、歴史的な 6月18日。WNはその初飛行からの 50年を記念して、この日を「Wanna Get Away Day」とし、National Day Calendar にも登録した。これまた余り馴染みはないかもしれないけど、「National Day Calendar」 は、それイコール国家の祝日というわけでなく、楽しく、珍しく、ユニークな「準祝日」のようなもので、今現在約1,500ものナショナル・デー、ナショナル・ウィーク、ナショナル・マンスがあるらしい。

因みに同日、カレンダーに載っているものは、
NATIONAL WANNA GET AWAY DAY
WEAR BLUE DAY
NATIONAL GO FISHING DAY
NATIONAL TAKE BACK THE LUNCH BREAK DAY
NATIONAL SPLURGE DAY
NATIONAL FLIP FLOP DAY 、の6つだ。

このWNの、「Wanna Get Away」というフレーズは、1996年に行われた市場と路線の拡大を目的としたマーケティングキャンペーンに登場して以来、同社のブランディングには欠かせないものとなっている。
WN のマーケティング担当副社長、Bill Tierney 氏は「サウスウエストの精神に則り、50周年を “Wanna Get Away Day “とし、お客様に “Wanna get away “を “Gonna get away “に変える機会を提供することで、ハート、低価格、伝説的なホスピタリティ、柔軟なポリシーの50年の歴史を祝っていただきたいと考えています。」と、メディアに語っている。
うーん、今度は「Gonna Get Away」か、カッコいいなあ 🤩

そして最後に👆 、50周年記念としてアメリカ国旗がデザインされたボーイング 737-800型機「Freedom One」の発表も同時行われた。この機種はWNが特別なカラーリングを施した最初の800型機であり、記念日に合わせて「自由」を連想させるデザインで、WN の従業員を含むアメリカ合衆国軍のメンバーや退役軍人に敬意を表したものだそう。

機体には、アメリカ国旗の13本のストライプと50個の星が描かれていて、これも50周年に関連しているとのこと。ちょうどその製作工程の様子が公開されているので、3分間でどうぞ!

そうそう、WNのオンラインストアでも、この記念日に合わせて、レトロなホステスのビルド・ア・ベア(初期の客室乗務員のユニフォームを着用)や、シルクスカーフなどの限定商品を今月末から購入できるようになるって。航空会社グッズ好きな人はチェック要かも!?

あ~早く帰ってまたWNに乗ってアメリカ中を飛び回りたい!神様~ 😂