今回のアリゾナ・ルート66は出来ればジャックラビットまで行きたかったんだよね。久しく会っていないトレーディング・ポストの CINDY と ANTONIO に挨拶したかったんだけど、どうもそれは時間が許さないようだ。1日が24時間なのがうらめしい 😂
それに新しく SNS で繋がったウィンスローの街にある、EARL’s MOTOR COURT を経営する ANGELAにも会いたかったんだけど、まあ仕方ない。
次回の楽しみととっておこう。
ということで、今日の限界地点をフラッグスタッフに設定。つまりは大好きなご贔屓ご当地ビールの、Mother Road Brewing Co. には行っておくということになるわけだ。
「マザー・ロード・ブリューイング・カンパニー」は、アリゾナ州で3番目に大きな独立系クラフトビールメーカーで、2011年にフラッグスタッフで設立された当時から訪れるたびに通っている、自称常連さん。
最初にこの ↓ ラベルデザインを見て以来すっかり虜になったわけだが、残念なことに彼らの主力商品は IPA。
日本人はどうやら IPA が好きなビールファンが多いようだが、はっきり言って私は苦手だ。最初は何とか好きになろうと努力したのだが・・💦
今は普通の?エールも提供し始めて、KOLSCH と呼ばれるタイプも出てきたことは最高に嬉しい。
ちょっとだけその「ケルシュ」の話をさせて貰えば、ケルシュはドイツのケルンという街の発祥のビールスタイルで、麦わら色の明るく澄んだ色調が特徴である。1997年以降は、このケルシュという言葉は欧州連合内で地理的表示として保護されているようで(ワインのようだ)ケルン市から 50㌔以内で、ケルン醸造協会の会員が定義する内容に従って醸造されたものをそう呼ぶとのことだ。
私がこの「ケルシュ」を初めて認識したのが 1988年、当時はまだドイツが東西に分かれていた頃に遡る。学生だった私はドイツで行われたサッカーの国際大会に友人らと旅行し、そこで飲んだのが、これ、Ganser Kolsch という名のビールで、世の中にこんなに美味しいビールが存在するのかと度肝を抜かれたことを今でも鮮明に覚えている。
ビールの話で始まったが、店のオープンは何と 14時。酒場であれば普通か。ということで開店までダウンタウンで時間を潰すことにした。
現在のビジネスループ40 と呼ばれる、旧ルート66と、サンフランシスコ通りの交差点。ダウンタウン・フラッグスタッフと称される地区で、その通りと平行に走る レノックス、ビーバー通り界隈が、バーやレストラン等が並ぶもっとも賑やかなエリアだ。
このダウンタウンの南側には街の歴史とは切っても切れない関係にある、アムトラック駅が鎮座する。1926年に「アチソン・トピカ・サンタフェ鉄道」が建設されて以来、この駅舎は重要な役割を担っている。チューダー・リバイバル様式のレンガ造りで、切妻屋根を持つこの建物は、鉄道の技術スタッフの一人が設計したものらしい。この駅舎は、歴史的に最も貨物・旅客の往来が激しい鉄道の通路のひとつ、とのことで、駅舎はフラッグスタッフ市のビジター・センターとしての顔も持つのが特徴だ。
そんな駅舎の駐車場に新しくシールドが描かれたと聞いたが、3年間も帰ってきていなかったブランクもあり、すっかりご無沙汰になってしまっていたが、ようやく今回ご対面 🤩
駅舎中のビジターセンターにも立ち寄ってみたが、お客さんはほぼゼロ。ずっと電話対応に追われて?いる係員のお兄さんだけが忙しそうだった。
そして、もう一つ。駅の南に位置するこれまたクラフトビール屋さんの建物に描かれる、Mural いわゆる「壁画」だ。
およそ 1 ブロックほどの長さの壁画を見ないなんてことがあれば、フラッグスタッフに寄った意味も半減するよ?、というぐらい価値の高いもの。
壁画には、クラシックカー、フラッグスタッフの歴史的なインディアン・パウワウ、地元のルート66のアイコンなどが描かれており、最近ではルート66の旅を記録するための素晴らしい「自撮り」の背景にもなっているとか。今回ここに載せるのは、私が取り分け気に入っているミュージシャンの部分。全体像は是非自分の目で確かめてみよう!
とか何とか行ってるうちに時間が来たので、そそくさとマザーロード・ブリューイング・カンパニーへ移動。前回来た時にはなかった手作り羅針盤のお出迎えに、建物の外でもゆったり飲めるスペースも拡張されていて、パンデミック後にしっかり備えたのが伺える。
それ以上に中はすっかりきれいに早変わり。前は「ビール作り始めました~、一生懸命やってますよ~」っていう苦労感と頑張り感のある色気も何もない工場だったのが、テイスティングできるバーカウンターを一新しmお土産コーナーも充実させ、時間の移りを感じる光景に。彼らが成功しているのなら嬉しいしそれに越したことはないけど、何となくまた「昔はね~」っていう歳喰った自分がいるのが嫌になるね。
まあ、時間との戦いの上、運転もあるので飲酒は軽めに。久しぶりの雰囲気を味わって、彼らの繁盛を喜び、店を後にキングマンへの帰路に着くことにしよう。
アリゾナ・ルート66 小旅行(中編)了