harley
その稀有なエンターテイメント性とプロミュージシャンであった実力を持ちながら、自分で「二流の音楽創作家」と呼ぶ男が、オクラホマ州エリックという人口1000人程度の街にいる。彼のファンは世界中に居て、ルート66を旅する多くの人達はここを訪れ、彼と笑い、そして彼に癒される。
欧州からのバイクツアーは必ずここで留まって記念撮影をしている。そう、店構えから店内の細部に至るまでルート66の魅力がグッと詰まった宝箱を引っ繰り返したような展示品の山、山だ。

そんな男、Harley Russell のドキュメンタリーを描いた短編映画が、先週サンノゼで行われた San Jose International Short Film Festivalで上映されたらしい。知ってたら絶対見に行ったんだけど(涙)

私が Harley と初めてきちんと話をしたのは、実はまだたったの一年半ほど前だ。フラッと立ち寄ったにも関わらず、得意のギターを抱えて素晴らしいパフォーマンスを披露してくれた上に、自宅まで案内して沢山の話を聞かせてくれた。
実は彼は2014年の秋、最愛の奥様 Annabelle を癌で亡くしている。Harley 曰く、彼女の才能とパフォーマンスの質の高さは折り紙付き。そして誰からも愛される人柄が彼は心底好きだったらしい。いやいや、私に言わせれば Harley 自身も相当凄いが、Annabelle は、私も一目お会いしたかった人だ。

harley-annabelle
元々二人で始めたこの音楽のパフォーマンス、きっかけは何気ないことから起こった。街のダウンタウンを通るルート66から南へ1ブロックのところで、彼らは健康志向の食料品販売を営むつもりだった。ある日、そこで偶々ギターの練習をしていた時、あるツアーの団体客がその演奏を見て大喝采。チップをどっさりテーブルの上に置き、ツアーのガイドさんはもっとこれから団体を連れてくることを彼らに約束して帰ったという。そうやってこのパフォーマンスは始まったのだ。

私もその時 Harley に「日本から絶対ツアーをここに引っ張ってくるからな」と約束した。いつか近い将来それが現実になるよう頑張らないと。

with-him
こちらがそのドキュメンタリー映画のトレイラ―です。