話を小旅行へと戻そう。いきなり余談だけど、さっき過去の記録を見たらこの小旅行の書き始めが今月初旬だった。たった3日間の話だけど、もう月末だ。。。
根気よく読んでくれる方、感謝です。

ラスベガスを出た後は、実はサンタフェに寄ろうか寄ろまいかでかなり悩んだ。でもここまで来たらグロリエッタに寄らないといけないし、結局285号線を下って行くからなあ、とサンタフェ方面へ進むことを選択。当初は全く予定になかったが、ならばということで Pecos National Historic Park (ペコス国定歴史公園)に立ち寄った。入場料はFREE。舗装された道を歩いて周るセルフツアーだ。

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この場所はペコスのアナサジ族の末裔と植民地支配を狙うスペインが出会った場所という設定。(事実だよ)公園パンフの情報によれば竪穴式住居の跡が確認されてるのは800年あたりで、1100年にもなるとネイティブ・アメリカンの伝統的な共同集落、「プエブロ式住居」が造られ始めたらしい。それから約300年後の1400年代中期には2000人もの人口を抱える大都市になったとか。
とはいえ、現代においては非常にゆっくりとした時間の流れる神秘的な空間だ。
サンタフェからも車で小1時間かかる場所にあるせいか、余り多くの他の観光客を見たことがない。
風の音、しか聞こえない孤独と静寂の狭間にいる、そんな感じかな。

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上写真の穴の部分は、KIVA(キヴァ)と呼ばれる集会場。アナサジ族が宗教的行事を行うときに集まる「地下室」だ。地上から見ると梯子が突き出ていて、地下は円形又は四角い部屋となっている。KIVAの床下は古い世界、内部は前の世界、そして梯子を登って出る外は新しい世界を表しているのだそうだ。下に入るとこんな感じ。
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そんな神聖な逸話満載の場所だが、歴史はいつも罪深い。ここも例外なく多くの血と涙は流されたようだ。永らくの間ネイティブアメリカンとスペインからの宣教師団体で戦闘が繰り返されてきたものの、1700年代前半に建てられた教会跡が残るように平和的な融和政策が基本になったらしい。
しかし1780年代になると、コマンチ族の襲撃や疫病の流行で街から忽然と人が消え、一気に廃墟となる。益々ミステリー感満載だね。
ニューメキシコ州には私たちが普段「アメリカ」で経験することと全く違うものが溢れている世界だ。まだ旅したことのない方は是非一度、体感して頂きたい。