ゲイリー・ターナー
ルート66のファンで、彼の名を知らない人は、ほとんどいないでしょう。
ミズーリ州アッシュグローブにある Gary’s Gay Parita の名物オーナーです。

「名所だから、ちょっと立ち寄ってみよう」
そんな軽い気持ちで訪れると、旅程が大きく狂います。
それほどまでに彼は話好きで、
ルート66にまつわる歴史、裏話、最新情報まで、何でも知っていました。

人懐こい笑顔とあふれるホスピタリティ。
訪れる何千、何万という旅人にとって、
彼はまさにこの場所の象徴でした。

そのゲイリーが他界してから、すでに1年と4か月。
享年70歳。
あまりにも早すぎる別れでした。

彼の死後、Gay Parita Station は空き巣被害に遭うなどし、
かつての賑わいが嘘のような、静かな場所になってしまいました。
私自身も二度ほど訪れましたが、
そこにいたのは私一人だけ。
看板があったはずの場所は、ぽっかりと空いていました。

そんな折、
「Gay Parita が娘さんの手で再開されるらしい」
という話が耳に入ってきました。

半信半疑でした。
「本当なのか?」
「どこからの情報だ?」
返ってきた答えは、「正式なルート。ただし、まだ内密に」。

そして2016年4月。
正式発表を受け、私はゲイリーの娘、バーバラ・ターナー(通称バーブ)に会いに行きました。

そのわずか2週間前、
バーブは長年暮らしてきたサウスカロライナの自宅を売却し、
劇場マネージャーとしての仕事も辞め、
この場所へ戻ってきたばかりでした。

彼女はこう語ってくれました。

「悩みに悩んだけど、両親が残したものを、きちんと次の世代に伝えることが私の使命だと、ようやく分かったの。もっと多くの人に、この場所を見てほしい。ここで終わらせるわけにはいかない。私が、続けなきゃいけないのよ。」

隣で話を聞く夫のジョージさんとともに、
迷いのない表情で語るバーブの姿が、とても印象的でした。

今後、二人はゲイリーと妻のためのメモリアルガーデンを造る計画も進めているそうです。
さらに魅力を増した Gary Parita が再び多くの旅人を迎える日を、
心から楽しみに、そして応援したいと思います。