
ミズーリ州レバノンのアイコン、Munger Moss Motel が、今年で生誕70周年を迎えました。
昼間はラリー、そして夜は祝賀パーティー。ルート66ファンだけでなく、地元の住民の方々も集まり、大きなお祝いとなりました。
名物のネオンサインは、この日も健在。
西へ向かって走り、レバノンの街に入ると左手に見えてくるあの光は、やはり特別な存在です。クラシックカーとの相性も抜群で、何度見ても飽きません。


オーナーのラモナとボブ・リーマン夫妻にとっては、70周年に加え、もう一つの節目の年でもあります。
二人でこのモーテルを経営し始めて45周年になるのだそうです。
夫妻はアイオワ州出身。
モーテル経営を志し、物件を探していた際に偶然レバノンへ辿り着き、ガソリンスタンドで出会った不動産エージェントの紹介でこのモーテルと巡り合ったといいます。まさに「事実は小説より奇なり」。
一目で気に入り、購入を決めたそうです。
私も数年前からお付き合いがあり、ラモナは私にとって「ルート66のお母さん」のような存在です。

そしてこの夜、もう一つの楽しみがありました。
ふと駐車場に目をやると、場違いなほど存在感のある一台が目に入りました。
今ではあまり見かけなくなった、あの無骨な「ハンマー」です。
……いや、車種の話は正直どうでもいい。
問題は、その車でした。
これは、私がずっと好きで聴いてきたカントリー歌手、
Jess McIntyre のツアー用車両。
写真や記事で何度も目にしてきた“あの車”が、目の前に停まっていたのです。
初めて実物を見るはずなのに、不思議と見覚えがある。
頭の中で、点と点がゆっくりつながっていきます。
――ということは。
――ということは、だ。
「……ジェス、ここにいるよな?」
誰に言うでもなく、心拍数だけが少し上がっていきました。
実は、彼がこのパーティーに参加してミニライブを行うこと自体は、事前に本人から聞いていました。
Facebookでつながり、何度かやり取りもしていた。
でも、“情報として知っている”のと、“同じ場所にいると実感する”のとでは、まったく違います。
ほどなくして対面したジェスは、驚くほど気取らない人物でした。
スター然としたところは一切なく、気さくで、よく笑う。
ルート66の音楽を歌う理由が、そのまま人柄に表れているような、そんな人です。
こういう人に出会えるから、この道の旅はやめられません。

ライブが始まるまで、会場は食事や歓談でにぎやかな雰囲気。
やがてジェスの演奏が始まり、ネオンの光の下で音楽が響きます。

途中、ラモナ自らが切り分けた記念ケーキも登場。
甘さはかなり強烈でしたが、それもまたアメリカらしいお祝いの味でした。
夕方4時半に始まった宴は、気がつけば夜11時を過ぎていました。

ネオンの前で写真を撮り、部屋へ戻ろうとしたところ、ロビーで再び歓談に加わることに。
最後の一枚は、ほぼ午前2時近く。
長い一日でしたが、70年という時間の重みと、この場所を支えてきた人たちの想いを、改めて感じる夜となりました。

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