キャディラック・ランチは1974年6月21日にお披露目のあった「パブリック・アート」だ。テキサス州の大富豪 Stanley March III がスポンサーにつき、サンフランシスコにある芸術家グループ「Ant Farm」によって制作された。Stanleyはとにかく地元アマリロの人々をびっくりさせるような近代的なアートを望んでいたところ、アーチスト達はキャディラックのテールフィンの進化へのオマージュを提案し、両者の意思が一致したそうだ。
ほんの数か月前、今毎月Zoom配信している「ルート66妄想ツアー」イリノイ州編で、シカゴのダウンタウンを走るアダムス通りの橋が(工事のため)しばらく全線通行不可能になるから注意、と話をしたのだけど、早速そのアップデートがシカゴを基点に活動する、ルート66のエキスパート、David Clark 氏からのアップデートが掲載された。
ルート66の前身は Pontiac Trail(ポンティアック・トレイル)だ。1893年にアメリカで初めてガソリンエンジン車が誕生し、1902年にシカゴにてAAA(アメリカ自動車協会)が結成される20世紀初頭、同年に補発足した National Good Road Association に代表されるよう、自動車の利用拡大に伴って「まともな」道路の要求が高まった。そこで1915年に登場したのがポンティアック・トレイル、シカゴとセントルイスを結ぶために造られた表面の堅固な道路だったわけ。
Torti Estate は、オルトレポ・パヴェーゼ(Oltrepò Pavese )DOCワインの伝統を守っており、現在のオーナーであるパトリツィアとディーノ・トルティ夫妻の下、ピノ・ネロ(ピノ・ノワール)とクロアティーナ品種を中心に、ワインとスプマンテの生産をしているとのこと。 因みにDOCとは、「デノミナツィオーネ・ディ・オリジン・コントラータ」(Denominazione di Origine Controllata)の略で、フランスの「アペラシオン・コントラレ」(AOC)とほぼ同等の意味で用いられ、定義された品質基準を満たし、指定された地域で生産されたワインであることが要求される。DOCの定義では、通常許可されているブドウ品種、収穫量、樽使用を含む最低熟成期間、最低アルコール度数などについて厳しい規定があるのだ。
更には、その日ワイナリーで数時間過ごした夜には、トルティ家族全員と一緒に食事を楽しむ機会があり、そこでトルティ家族の言葉「No Torti, No Party」をイメージし、アコースティックギター一本、即興で披露した、という逸話もあるらしい。 そうなんです!やっぱりあのアイアン・メイデンの彼だったのです!
(ヘヴィメタルを聴かない方には、1986年に”(I Just) Died in Your Arms” の世界的ヒットで一躍有名になったバンド、Cutting Crew でキーボードを担当した彼、と言ったらわかるだろうか)
Iron Maiden 時代の Tony Moore 氏
そうやって生まれたのがこの「Route 66 Wines Tony Moore Signature Collection」だ。 同国内の代理店を通じ25年にも及ぶライセンス契約を経て出来上がったこの一本。 日本から購入できるのはオンラインのみとなるようだが、「家飲み」が主流となっているこの機会に是非、試してみてはいかがだろうか。
地元メディアである「タルサ・ワールド」の報道によれば、同州商工会議所のCEOである Mike Neil 氏は「自動車産業の導入は、今後何年にもわたって(州にとって)Game Changer になり得る」と考えているようだ。招致が成功すれば雇用だって格段に上がる。見込みでは10,000~20,000の新規雇用の可能性があるらしい。 当然テスラ社へのオファーは給与のカバー、減税やその他支援プログラムを含むインセンティブパッケージが用意されたようである。
私のブログにお付き合いをしてくれている方々に Michael って誰?という人はいないと確信しているが、念のために簡単に紹介すれば、Michael Wallis はアメリカのジャーナリスト、作家、そして歴史家であり、ルート66 の各団体を引っ張るリーダーの一人だ。 彼の著書の一つ「Route 66:Mother Road」は不朽の名作であり、今でも絶大な人気を誇る書物で、私自身もこの本との出会いで強烈にこの世界に引き込まれたものだ。 Michael はジョン・スタインベック賞、Oklahoma Center for the Book からアレル・ギブソン生涯功労賞、ウィル・ロジャース・スピリット賞、を受賞。Oklahoma Writers Hall of Fame、Writers Hall of Fame of America、そして Oklahoma Historians Hall of Fame にも選出されていて、「オクラホマ・ルート66 の殿堂」に最初に選ばれている。 また、ディズニーピクサーの映画「CARS」でのシェリフの声を担当していることでも有名だ。
感染者数は現在39州で増加しており、最近ではアラバマ、アラスカ、カンザス、ノースカロライナ、そしてサウスカロライナの、少なくとも5州が1日あたりの最多記録を更新したとNY Times も報道している。民主党の Joe Biden大統領候補は自身の Twitterで、「今年の7月4日に、みんなにできる最も愛国的な行動はマスクをつけることだ」と呼びかけた。
ここで今更だけど「アメリカの独立記念日ってどんな日なの?」という方に簡単にご説明。独立記念日又は Independence Day は、米国では冒頭にも書いた “July 4th” または “4th of July” と呼ばれる、1776年にアメリカ独立宣言が公布されたことを記念して毎年7月4日に定められている米国の祝日なのだ(池上氏のような気分になってきた)アメリカを最も象徴する祝日であり、独立記念日の一週間は Thanksgiving や Christmas Holiday と並び全米が祝日モード一色になる。 今年2020年は、第244回目の誕生日のお祝い、ってわけだ。 でもここでアメリカの独立の経緯や歴史的考察をするつもりは全くないので、その辺りの詳しい話は Google 先生に聞いて欲しい(笑) ただ、この国の歴史は、18世紀絶対王政の時代圧倒的権力を持っていた英国王政に「勇敢に立ち向かい」、多大な苦難を乗り越えて勝利=独立を「勝ち取った」という、いかにもアメリカらしいストーリーで歴史は始まったところが大きなポイントだろうか。
毎年この日には数年前に経験した宣誓、 Oath of Allegiance を一番強く思い返す。日本語に訳すと「忠誠の誓い」となり、日本人的感覚には少し重いものかもしれないが、内容はこうだ。 “I pledge allegiance to the Flag of the United States of America, and to the Republic for which it stands, one Nation under God, indivisible, with liberty and justice for all.” このフレーズ、結構気に入ってたりするんだけど、ルート66の仲間であるオクラホマ州タルサの、Route 66 Alliance のリーダーである Ken Busby 氏が自身のSNSにポストした内容がとても心に刺さった。 いろんなことで毎日を100%楽しめていない中、ちょっと救われた気がした。以下、彼のポストより。
“America is a nation with a mission — and that mission comes from our most basic beliefs. We have no desire to dominate, no ambitions of empire. Our aim is a democratic peace — a peace founded upon the dignity and rights of every man and woman.” ~ George W. Bush
As this Independence Day comes to a close, I’ve been thinking a lot about events of the past several weeks – events that have shaken our nation to its very core. We cannot correct past injustices with one speech or one program or one event. All we can do is pledge to do better tomorrow than we did today.
We need to give each other grace when we fall short. And we need to acknowledge that most of us are doing the best that we can, based on what we know and have experienced.
As Maya Angelou once noted, “I did then what I knew how to do. Now that I know better, I do better.”
Here’s to a better tomorrow for all of us!!
by Ken Busby at his Facebook on July 4, 2020
最後にネットで見つけた History Channel からの面白いトリビア。何とアメリカの「誕生日」は、同時に過去の何人かの大統領の「命日」なんだとか。 知らなかった!
Albuquerque International Sunport (空港)より車で約30分、アルバカーキ―郊外の Rio Rancho という場所に建っているリゾートホテルは2001年のオープン。そうそう、空港だからと言って「Airport」ではないぞ。「Sunport」と名付けたところに拘りを感じさせる。 “Hyatt Regency Tamaya Resort & Spa” と書かれた正門の位置からはホテルの姿なんぞ見えやしない。ここから車で更に電灯一つない「荒野」を10分近く走るのだ。
このリゾートホテルは Santa Ana Pueblo の保有地(約73,000エーカー)の中で500エーカーほどの場所を利用して建てられた。 保有地全体の大きさからみると「たったの500?」と感じるかもしれないが、それでもわかりやすく言えば東京ドーム約43個分の広さなのだ。 総部屋数は350、3つのプールに、2つの(USオープン公式練習場として利用される)5つ星のゴルフコース、そして4つのレストランに、雄大な景色というニューメキシコを思う存分味わえるホテル。バルーン・フィエスタの会場までも車で約15分と利便性は◎ですよ。
何とも悲しい日になった。 ニューメキシコ州ルート66アソシエーションの役員であり、ルート66沿線上多くの歴史的なネオン看板の修復に関して第一人者である Johnny Plath 氏が先週、コロナウィルス感染によって亡くなった。 まだ「たったの」68歳だ。 ニュースによれば彼のお父様も同様な理由でお亡くなりになったらしいのだが、どうやらお父様のお世話時に感染してしまったようだ。
Johnny Plath, the image from Route 66 News
Johnny と彼の兄弟である Larry は、同州アルバカーキにある Southwest Outdoor Electric 社でネオン看板の作成ならびに復元作業に従事していた。彼の業績の中でも最も注目に値する看板の復元は、同州Santa Rosa にあった Sun n’ Sand Motel、こちらも現在は閉店してしまっている同州 Moriarty の El Comedor の「ロトスフィア」、そしてアルバカーキにある De Anza Motor Lodge のそれらだ。
Johnny とニューメキシコ州ルート66協会とのパートナーシップは、2003年に同協会が提唱した、「ルート66ネオンサイン保護プロジェクト」がきっかけだったと言う。その際 Johnny は、最も困難な二つのネオン看板の修復に入札し、担当することになったとのことだ。上記で紹介した、サンタローザの巨大なサンアンドサンドモーテルの看板と、モリアーティにある「Rotosphere」ネオンだ。彼はこれらのプロジェクトが利益を生まないことを十分に理解していたが、ジョニーはこれらの歴史のあるアイコンであったネオンサインを蘇らせる機会を貰えることにモチベーションがあったそうだ。
Rotosphere at El Comedor, the image from Route 66 News
今年の初め、2020年は初夏ごろに渡米し、ニューメキシコ・ルート66を走る予定をしており、その際 Johnny Plath 氏に面会を申し出るつもりだった。もう何年もの間、是非お会いしてお話を聞きたいと思っていた方だ。本当に残念でならない。 ご本人のご冥福を祈ると共に、ご家族に心よりお悔やみを申し上げたい。
PBSが作成したドキュメンタリー映画「Route 66:The Neon Road」に、Johnny のネオン看板への情熱を見ることができる。この映画は Emmy Award も受賞した。お時間のある方は是非。